BtoBの営業戦略や新規開拓で重要なソリューション営業であるが、ソリューション営業のやり方がわからないといったことはないだろうか?
今回のコラムでは、ソリューション営業を行うための3つの手順を具体例を交えてご紹介する。このコラムでソリューション営業のやり方の基本を身につけていただければ幸いだ。
ソリューション営業をさせたい部下・同僚がいれば、このコラムを社内で共有し、関係者でソリューション営業について検討していただければと思う。
ソリューション営業を行うための3つの手順
まず、ソリューション営業を行うための「3つの手順」をご紹介しよう。この手順通りに進めば、ソリューション営業をするための提案書をどう作るか?がある程度見えてくるはずだ。
そもそも、ソリューション営業とは、簡単に言えば、「お客様の課題を聞き出し、その課題の解決策を提案して商品を売ること」である。そのため、ソリューション営業を行う手順としては下記のような手順になる。
(1)顧客の課題を知る
(2)顧客の課題を解決する方法を考える(売りたい商品をどう使うか?)
(3)セールスメッセージを決める
では各手順について詳しくご紹介しよう。
ソリューション営業の手順1「顧客の課題を知る」
ソリューション営業は顧客の課題を解決する方法を提案するため、まずは課題を知らなければならない。課題を知るには、リサーチして調べるか、仮説を立てるかの2つしか方法がない。
「どんなことで悩み、何を解決したいのか?を知る」まずはこれが重要だ。
ソリューション営業の手順2「顧客の課題を解決する方法を考える」
次に、課題を知ったら、その解決方法を考える必要がある。
顧客の目的は課題を解決することであるため、あなたの売りたい商品は解決に必要な手段の1つとなる。そのため、ここで重要なのは、「あなたの商品でなければ解決できない理由」や、「あなたの商品なら他社とは違いこうやって解決できるというような解決方法の独自性」である。
このような自社の独自性を交えた解決方法であれば、提案後のクロージングの際に売れる可能性が非常に高くなる。
ソリューション営業の手順3「セールスメッセージを決める」
解決する方法が決まったら、セールスメッセージを決めよう。これがソリューション営業するときの提案の切り口になる。提案資料の目次、作り方など全てはこのセールスメッセージから決まっていくことになる。
ざっと3つの手順をご紹介したが、イメージを深めていただくために、具体例を1つご紹介しよう。
3つの手順によるソリューション営業の具体例
ご紹介する具体例は、ビーンスターク・スノーの加工食品である。
参考記事:魚を取りにくい妊産婦に朗報 「赤ちゃんに届く」DHAソフトカプセル
記事から引用
魚介類に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は、胎児や乳幼児の発育に大切な栄養素とされ、授乳期では母乳や粉ミルクがその供給源としての役割を担う。
母乳中のDHAの量は、母親が摂取するDHAの量によって変化するとされ、アメリカ人の約4倍の魚介類を消費する日本人の母乳は、母乳中のDHAの量もアメリカ人の約4倍だという。厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針」でも、妊娠期と授乳期のDHAなどn-3系脂肪酸の摂取が推奨されている。
しかし、ビーンスターク・スノーの研究によると、日本人の1日あたりの魚介類平均摂取量は、1989年から2008年にかけて約2割減少しており、それにともない母乳脂質中のDHA含量も約2割減っていることが分かった。
また、同社が出産・授乳経験がある20から50代女性に実施した「授乳に関する意識調査」によると、授乳期に思うように食べられなかった食品第1位は「魚」、続いて「野菜」「乳製品」だった。さらに、「魚」を取りたいと思いつつも取れなかった人は半数以上に上り、30から40代では6割を超えている。その理由として挙がっているのが、「調理の手間や時間」「価格」などだ。
「ビーンスタークマム 母乳にいいもの 赤ちゃんに届くDHA」は、魚介類を毎日取ることができない母親のために開発されたソフトカプセル状の加工食品。カツオとマグロの精製魚油が使用され、1日3つぶで、カツオの刺し身2切れ半(約40グラム)と同量のDHAを摂取できるという。
この加工食品を3つの手順に当てはめると下記のようになる。
ソリューション営業の手順1「顧客の課題を知る」
まず顧客の課題は参考記事から下記のような点であることがわかる。また課題はリサーチをして把握しているため、ニーズのある課題である可能性は非常に高い。
顧客の課題
顧客の課題は、赤ちゃんにDHAが必要であるにもかかわらず、手間・時間・価格の問題でなかなか魚を摂取できないということにある
ソリューション営業の手順2「顧客の課題を解決する方法を考える」
この課題を解決するために、手軽に摂取でき時間も手間もかからずコストも安いソフトカプセルを開発した。このソフトカプセルが売りたい商品となる。
ソリューション営業の手順3「セールスメッセージを決める」
そして、このソフトカプセルを売るために考案されたセールスメッセージが、商品名にも含まれている「赤ちゃんに届くDHA」である。これがソリューション提案の切り口となる。
切り口が決まったら、プロモーションを打つときは、この切り口を中心に展開していくことになり、各営業ツールもこの切り口からコンテンツが固まっていく。
当然、顧客が興味をもって話を聞いてくれるかどうかは、この切り口次第である。
ソリューション営業の手順まとめ
ソリューション営業は、「課題を知りその解決方法を売る」ことになるため、ご紹介したような手順でソリューション営業を具体化していくとよい。
もう一度まとめると下記のようになる
(手順1)課題を知る
(手順2)解決方法を考える
(手順3)セールスメッセージを決める
具体例で言えば、下記のようになる。
(手順1)課題を知る
赤ちゃんのDHA摂取が減っている、母親がDHAを摂取していない
(手順2)解決方法を考える
ソフトカプセルにして飲みやすくそしてコストを抑えよう
(手順3)セールスメッセージを決める
「赤ちゃんにとどくDHA」
これがソリューション営業の基本である。あなたがソリューション営業で行き詰まっているなら、この手順に従って営業方法を考えてみるとよいだろう。
(平成27年10月17日 BtoBのWEBマーケティング「THREE-VIEW」)
この記事は私が2011年10月5日書いた記事をリライトしたものです。