ソリューション営業とは?他の営業との違いや必要スキル、課題点、実施手順と方法を解説

興味をもって話を聞いてくれる「顧客」を見つける方法
Last Updated on 2023年11月7日 by 荻野永策

今回のコラムでは、BtoBの営業戦略で重要なソリューション営業について解説する。ソリューション営業とは何か?他の営業(商品提案営業、御用聞き営業)と何が違うのか、どんなスキルは必要で、どのようなステップで営業するのかについて解説する。

ITソリューション営業をWEBで実現する方法

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ソリューション営業(ソリューションセールス)とは?

ソリューション営業(ソリューションセールス)とは?意味や定義

BtoBにおける「ソリューション営業」とは、顧客や見込み客が解決したい課題を把握し、その課題を解決する方法を提案しながら、自社の製品やサービスを販売する営業手法や方法のことだ。ソリューションセールスと言い換えられる。

ソリューションを提案するとは何か?

「ソリューションを提案する」とは、「課題を解決する方法やプロセス」を顧客や見込み客の状況に合わせてOneToOneで提案することを言う。

例えば、下記がソリューション提案の具体例だ。

ソリューション提案の例
課題例 生産設備の保守を行っていた要員が定年退職し保守の精度が低下。生産効率が悪化している
ソリューション提案例 予兆検知の仕組みを使って設備の故障の予兆を事前に検知すれば生産効率を改善できる

上記は、予兆検知を実現するITシステムを開発・販売するIT企業の「ITソリューション提案」である。もう少しわかりやすい例で記載してみよう。

ソリューション提案の例
課題例 7歳の息子はピーマンを全く食べない。からあげ、ハンバーグなど好きなものしか食べない
ソリューション提案例 ピーマンが入っていることに気がつかないハンバーグのレシピの提案

このように、解決したいことに対して、解決する方法(解決できる可能性のある方法)を提案することがソリューションの提案だ。

商品提案営業との違い

商品提案営業とは、自社製品やサービスの機能・性能・仕様・特長を説明する営業のことだ。ソリューション提案営業との違いは、「商品を提案する」か「課題解決の方法を提案するか」に違いがある。

御用聞き営業との違い

御用聞き営業とは、その名の通り、顧客や見込み客に欲しい商品を聞いて営業する営業手法だ。客先に訪問し必要な商品を聞き出して注文をとり、納入することになる。

ソリューション営業との違いは、「受け身の営業」か「攻めの営業」かという違いがある。ソリューション営業は、ソリューションを提案するため「提案型営業」、つまり「攻めの営業」になる。しかし、御用聞き営業は「御用を聞く」ため「受け身の営業」だ。御用がなければ売れないというデメリットがある。

ソリューション営業の目的は「課題解決による受注」

ソリューション営業の目的は、課題を解決する方法を提案し、自社の製品やサービスを販売することを目的とする。そのため、「課題を解決する方法」には、その方法を実現する具体策として自社の製品やサービスが活用されている必要がある。

つまり、「この製品をこう活用すれば、あなたの解決したい課題が、こんなふうに解決できます」と言う形になる。

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ソリューション営業に必要なスキルと向いている人

ソリューション営業に必要なスキルと向いている人について解説する。

コミュニケーション能力(課題発見能力・ヒヤリング力)

ソリューション営業は、顧客や見込み客との対話が必須である。解決したい課題を聞き出すことや、提案する必要があるためだ。そのため、課題発見能力・ヒヤリング力が必要になり話術も必要だ。話が上手い人、盛り上げるのが上手い人、聞き上手な人は向いていると言えるだろう。

解決策の企画力

ソリューション営業は、顧客や見込み客が解決したい課題を「解決する方法」を考えて提案しなければならない。そのため、解決方法の企画力が必要だ。

企画力を磨くには、顧客や見込み客の業務内容・事業領域に詳しくなければ企画できない。普段どのような業務をしていて、何に困っていて、どのように解決すると喜ばれるか?を考えることになるため、顧客に対する理解の深さが重要になる。このため、マメに顧客の業界情報を収集し勉強できる人が向いている。BtoBの場合、専門分野であることも多く、技術的な話が出てくるケースが多い。こういった難しい話でも知的好奇心をもって知識習得できる人が向いている。

説明・説得する提案力

ソリューション営業は、課題の解決方法を提案し説明しなければならない。そのため、提案力(説明のわかりやすさ)が必要となる。わかりやすく物事を説明できる人、わかりやすい資料を作成できる人(文章が書ける人)が向いている。

ソリューション営業はなぜ必要か?メリットや利点

メリット「営業提案の幅・切り口が広がる」

ソリューション営業は、顧客やリードの課題を切り口に営業をする手法であるため、営業提案の幅(切り口)が広がる。顧客やリードが解決したい課題は、千差万別であるため、解決できる課題を増やしていくことにより、さまざまな切り口で営業提案が可能となる。

切り口が増えることで、市場の母数(売れる企業数)が増える可能性があり、売上拡大に大きな影響を与える。御社の製品・サービスでもソリューション営業を取り入れることで、今まで売れることがなかった企業に対して、製品・サービスを売ることができるかもしれない。

メリット「顧客満足度の向上・LTV増加」

ソリューション営業は、「顧客に寄り添う営業」になる傾向が強い。そのため、顧客との関係性が深くなり、満足度向上とLTVが向上する。つまり、1社あたりの売上が向上するのだ。さまざまな課題解決ができるようになればなるほど、課題解決提案ができるようになり、1社あたりの売上向上が実現する。当然、取引期間も長くなる。

少人数体制で売上を最大化する場合は、ソリューション営業は非常に相性が良い手法となる。

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ソリューション営業の課題・欠点

ソリューション営業は良いことも多いが、実は悪い点もある。ソリューション営業できる担当者がなかなか増えないといった課題もBtoBでは散見されるが、主にここであげる課題・欠点が要因していると考えられる。

課題・問題点「顧客の課題調査と仮説構築」

ソリューション営業は、何よりも課題調査が必須だ。顧客や見込み客の課題を的確に把握できていれば、精度の高い営業が可能になるが、課題把握が曖昧だったり、「仮説課題(こういう課題を持つ企業がいるのではないか?と自社で仮説立てすること)」である場合は、精度が落ちることが多い。そのため、なかなか結果(売上)につながらず、営業部門に浸透しない。

課題・問題点「手離れが悪い」

ソリューション営業のメリットとして、LTVが向上すると記載したが、逆説すれば手離れが悪くなる傾向がある。ソリューション営業の場合、製品やサービスを「売って終わり」ではないためだ。商品提案営業であれば「売って終わり」になるが、ソリューション営業の場合は「課題解決」を目的とするため、「売って終わり」とはならない。

課題・問題点「すぐにできない」

ソリューション営業は課題調査や解決策の企画立案が必要であるため、すぐにできない。商品提案営業であれば、商材さえあればすぐに始められる。

課題・問題点「売り込みしにくい」

ソリューション営業は、商品提案営業と違って「商品を売る」のではなく、「解決策を売る」ことになる。そのため、自社製品を売り込みしにくい時がある。

例えば、製品Aを売りたい時を考えてみよう。ある顧客に対して課題調査をすると「課題Bを解決したい」ということがわかったとする。この時、「課題Bを解決するには製品Aでは物足りない」となればどうなるだろうか?売り込みができなくなるのである。仮に提案したとしても、顧客も「これでできるの?」と不安がり、受注にならないケースが多くなるだろう。

課題・問題点「必ず解決するとは言えず、事例が必要」

そして、ソリューション営業の最も大きな問題点は、「解決策の提案」といいつつも、「解決を保証することができない」というジレンマがあることだ。そのため、ソリューション提案をする場合は、「解決できた事例」をたくさん作っておく必要がある。

しかし、これは鶏と卵問題に繋がる。「受注」がなければ「事例」は生まれないため、「事例」がないと「売れない」となれば、まさに鶏と卵問題そのものである。事例が先か、受注が先かある。

このように、ソリューション営業はメリットもあれば、課題や問題点も抱えている。そのため、自社の製品の特性や、営業リソース、営業戦略と合わせて、採用すべきかどうか、検討しなければならない。

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ソリューション営業を行うための3つのステップ

では、ソリューション営業を行うための「3つの手順」をご紹介しよう。この手順通りに進めば、ソリューション営業をするための提案書をどう作るか?がある程度見えてくるはずだ。

(1)顧客の課題を知る
(2)顧客の課題を解決する方法を考える(売りたい商品をどう使うか?)
(3)セールスメッセージを決める

では各手順について詳しくご紹介しよう。

ステップ1「顧客の課題を知る」

ソリューション営業は顧客の課題を解決する方法を提案するため、まずは課題を知らなければならない。課題を知るには、顧客に聞くか仮説課題を立てるかの2つしか方法がない。

顧客に聞く

顧客に聞く場合は、対面調査とアンケート調査といった方法がある。例えば、既存顧客に聞く場合を考えてみよう。既存顧客の場合、「顧客満足度調査」を実施すると良いだろう。

「顧客満足度調査」は、自社製品やサービスを購入し活用している顧客に対して、製品の満足度を調査するが、その中で「今後、どういう課題解決に挑戦したいか?」を聞き出すとよい。

仮説課題を立てる

仮説課題とは、自社で「こういう課題を持っている顧客がいるだろう」という仮説をたてることだ。ただし、完全な思い込みで仮説立案すると危険であるため、せめて、過去の商談記録を分析するなど、何かしらのエビデンスはあったほうがよい。新製品・新事業の場合は、過去の記録もないため、ネットなどを使って顧客業界の課題を調査するのも重要だ。

ステップ2「顧客の課題を解決する方法を考える」

次に、課題を知ったら、その解決方法を考える必要がある。

顧客の目的は課題を解決することであるため、あなたの売りたい商品は解決に必要な手段の1つとなる。そのため、ここで重要なのは、「あなたの商品でなければ解決できない理由」や、「あなたの商品なら他社とは違いこうやって解決できるというような解決方法の独自性」である。

このような自社の独自性を交えた解決方法であれば、提案後のクロージングの際に売れる可能性が非常に高くなる。

また、実際に解決できた事例を社内で探して準備しておこう。事例があれば、解決策の確実性の根拠を示せることになる。受注率に大きな影響を与えるため、事例がないかは探しておこう。

ステップ3「提案書を作成し顧客・見込み客に配布」

解決する方法が決まったら、その方法をソリューション提案書にまとめよう。提案書のタイトルは、「なになに業務の●●課題を効率よく解決する方法とその解決事例」といったタイトルがよい。その上で下記のような提案書を作成する。

  • 課題整理(なになに業務の●●課題の詳細な内容を整理・説明)
  • 解決に製品紹介(課題を解決するために必要な製品を紹介)
  • 製品を使った解決プロセス(どのように製品を活用し解決するのか?)
  • 解決事例(実際に解決できた事例)

提案書は主に上記の4部構成だ。最後にまとめとして、「この製品で課題が解決できる理由」をまとめて記載するのもよいだろう。

このような提案書を作成しPDFにしたら、訪問やメールなどで顧客や見込み客に提案しにいく。特に、ヒヤリングした顧客がいれば、その顧客には必ず提案しに行こう。興味を示す可能性は十分にあるだろう。

ヒヤリングできていない顧客や見込み客でも、こういった提案書があれば、提案しにいくのは問題ない。なぜなら、ヒヤリングできていないだけで「同じ課題を持っているかも」しれないからだ。

以上、ソリューション提案営業について詳しく解説した。課題・問題も多い営業方法であるが、弊社は、BtoBマーケティングと営業の連携には、このソリューション営業が必須であると考えている。さらに、今後、営業人員の不足なども発生するため、LTVの高くなる営業方法を導入することも重要だ。

ぜひ御社でも取り組んでいただけたらと思う。

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