パッケージ製造業・印刷業の営業強化の仕方!新規見込み獲得から見込み育成の営業戦略とは

Last Updated on 2023年2月18日 by 荻野永策

今回のコラムは、商品パッケージ(軟包装・紙器の製造・印刷業)の営業戦略についてご紹介したい。商品パッケージというのは、私の知る限り軟包装(ポテチの袋のようなもの)と紙器(ケーキの箱のようなもの)がある。商品は化粧品から食品、薬品、スポーツ用品まで多種多様である。一般的な商業印刷(チラシやDM)とは違い、法律の規制もある難しい印刷物であると言える。

さらに、法規制だけでなく、メーカーの商品コンセプト、ブランドイメージ、売り場イメージ、アイキャッチ、値段、納期など、様々な要因が1つの印刷物に集約されるので、ますます難しい業界であると考えられる。

しかもこれだけではない。実はこのパッケージ印刷の営業も非常に難しい。なぜなら下記のような点が営業課題が考えられるからだ。

(1)新規顧客に入り込みにくい
商品パッケージの営業は新規の見込み開拓が難しい。なぜなら、既に何処かの業者にパッケージ印刷を発注しているからだ。そのどこかの業者があなたの最大の競合となる。

(2)入り込めても案件化しにくい
例えばあなたの会社のパッケージには面白いアイディアなどがあり、顧客の担当者と名刺交換するまではできるとしよう。だが、その先がなかなか進まないケースが多い。なぜなら、「初めての取引でトラブルを怖がる」からだ。その結果、なかなか商談が進まない(ただし、すべてのアイディアがこうなるというわけでもない。例えば、チアパックのように新しいアイディア溢れるパッケージであれば話は別である)

パッケージは、製造・印刷、そしてデザインも難しい上に、営業も難しいという状態であるが、そのかわり、取引が始まるとリピート性が非常に高く、安定感が高い。そのため、御用聞き営業になりやすい業界でもある。

パッケージ印刷・製造・デザインの営業課題を解決する具体策

では、上述したパッケージ印刷や製造・デザインの営業課題を解決する具体策を探ってみよう。営業課題をまとめると、下記の2つである。

(1)新規顧客に入り込みにくい
(2)入り込めても案件化しにくい

1つ1つ解決策を探ってみよう。まずは、「営業課題(1)新規顧客に入り込みにくい」からだ。

「営業課題(1)新規顧客に入り込みにくい」を解決する

上述したように、新規見込み客には、すでに御社以外の業者(御社の競合)と付き合っているため、入り込むのが難しい。しかし、そういった状況でも突破口がないというわけでもない。新規の見込み客が、御社以外の業者と付き合っていたとしても、「パッケージ印刷に対して課題がない」ということは考えにくいからだ。

新規見込み客の「パッケージの課題」さえ知ることができれば、その課題を解決する方法を提案することで、営業の突破口を切り開くことができる。だが、ここで問題になるのは。「その課題、どうやって調べれば良いだろうか?」である。

新規見込み客は信頼関係もできていないため、なかなか課題を教えてくれない。名刺交換くらいまでできれば、可能かもしれないが、それすらできていないような場合は非常に難しい。

そこで、1つ良い方法をお教えしよう。検索エンジンでおなじみのGoogleのサジェスト機能を使って、新規見込み客の課題を知る(正確には推測する)方法がある。

サジェスト機能で新規見込み客のパッケージ製造の課題を知る方法

サジェスト機能とは、Googleが提供している検索補助・支援機能の1つである。Googleの検索ボックスに好きなキーワードを入力すると、下記のように検索の候補が表示されるが、これがサジェスト機能である。

パッケージ印刷を例にしたサジェスト機能

上記はパッケージ印刷と入力した場合のサジェストで、赤枠の部分が「パッケージ印刷」というメインのワードに対するサブワードとなり、このサブワードを一覧表示してくれる機能をサジェスト機能という。

これらのサブワードは実際に日本全国でよく検索されるワードをGoogleがピックアップして表示しているが、このサブワードに顧客の課題が隠されていることがある。上記の検索ボックスでは多くても10個程度しか表示されないが、下記の無料のサービスを活用すると、すべてのサジェストを一覧表示してくれるので、これを活用して課題を探してみると良い。

Googleのサジェストを一覧表示するGoodKeyword

実際に「パッケージ印刷」のサジェストを調査してみると、下記のような画面となる(記事執筆時点の画面)。

パッケージ印刷のサジェスト一覧画面

サブワードを見ていると、「アルミ」「エンボス」「少数」「通販」「ビニール」「表面加工」など、様々なワードがあることがわかる。このことから、原反に関する課題、加工に関する課題、ロットに関する課題があるのでは?と想定できる。

このようにサジェストを見ると様々なワードがあるので、パッケージ印刷だけでなく、パッケージデザイン、パッケージアイディアなど関連するワードでも調べてみよう。課題を見つけるヒントが得られる可能性が高い。

事実、弊社の顧客では、このサジェストからWEBサイトの見直しを行い、WEBを活用した新規見込み獲得に大成功している。その詳細を下記の資料にまとめたので、ご興味あればご確認いただければと思う。

WEBを活用したリードジェネレーション6つの成功事例

基本中の基本の課題調査の方法の1つであるが、全くやらないよりは効果は大きいと考えられる。

サジェスト機能で課題を知り提案内容を考える

このサジェスト機能で新規見込み客の課題を知ることができれば、そこから営業の切り口を見つけることができる。例えば、「パッケージ印刷 少数」というサジェストがあるので、そこから、「小ロットのパッケージ印刷」に課題があるのでは?と仮説立てることができるわけだ。

さらに、小ロットということは、最近話題の「インバウンド需要」に関連して、外国人向けの他言語パッケージを小ロットで作りたいのかも?と発想を広げていくこともできるだろう。そうやって、可能性の高い切り口を考えていくことで、新規見込み顧客への開拓方法が具体化されていく。

もし、小ロットでインバウンド需要に対応したパッケージ印刷が可能なのであれば、「小ロット多品種の他言語パッケージ制作サービス」を営業資料にまとめ提案しに行けば良いことになる。当然、競合が「翻訳」や「小ロット・多品種」ができないのであれば、自社の強みを生かした営業であるため、商談になる可能性が高くなる。

ちなみに、私がざっと調査したところ、下記のような課題も報告されているようなので、小ロットのパッケージ印刷は本当にニーズがあるのではないだろうか?

参考資料
平成24年度「中小企業の新商品開発・販路開拓における課題と対策及びバイヤー意識調査事業」
URL: http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2013fy/E002778.pdf

上記資料の4ページに下記のような記載がある。

バイヤーから、商品のパッケージデザインや味、ロット等の変更の要望を受けても、それに応えるためのコストがかけられない。

サジェストにもある上にこういった調査結果も報告されているので、小ロットへのニーズは大きいと考えられる。

このようなイメージで「見込み客のパッケージの課題」を調べそれ対して解決策を提案することで、新規見込み開拓の切り口を見出すことができるだろう。

「営業課題(2)入り込めても案件化しにくい」を解決する

次は「入り込めても案件化しにくい」である。上述したようにパッケージ印刷はすでにどこかの業者に発注しているので切り替えが起きにくい。しかし、それで諦めていては営業にならないので、何か入り込む方法を考えなければならない。

可能性として考えれれる方法の1つには、継続的な接点の創出がある。

新規の見込み客は、いつまでも同じパッケージにするというわけではない。「ウカール」や「きっと勝つ」のようにキャンペーンやイベントと連動させたパッケージを作ることもあるし、新商品もいつかは販売する。そういった機会を逃さず、ちゃんと入り込めるように、関係を継続させておくのである。

では、どうやって関係を継続させるか?毎月営業担当者が訪問していては人件費もかかる上に全国になると交通費もばかにならない。そのため人を活用するのは難しい。だとすると、「コンテンツ」を活用するのが良い。

ここでいうコンテンツとは「見込み客にとって役立つ情報、有益な情報」のことである。この役立つ情報を新規見込み客にメールやニュースレターといった形で送付し、関係を継続させるのである。

こういうと「そんなの迷惑になるからだめだ」や「そんな情報もらっても読まない」という反論が出てくるが、実はそうではない。事実、弊社の顧客で「パッケージアイディアやパッケージ戦略に関する役立つ情報をメルマガやブログにして公開したところ、新規見込み開拓や見込み客の育成につながった」という成功事例もある。

詳しい内容は機密保持の関係もあるためこのコラムで記載出来ないが、下記のPDF資料にまとめたので、是非ご確認いただきたい。

BtoBコンテンツマーケティングとリードナーチャリングの成功事例
〜ほったらかしの見込み客から案件を創出した成功事例〜

ただ、誤解の無いように言うと、1000社の見込み客に対して、全員が必ず役に立ったと思うような情報など存在しない。そのため、どのような情報をどのような方法で送付しようとも、「迷惑」や「役に立たない」と判断する顧客は必ず存在する。

そのため、「そんなの迷惑になるからだめだ」や「そんな情報もらっても読まない」という反論に対しては「確かにその通り」としか言えないが、だからといって何もしないでおくと、放置状態となり、結果、「案件化」はできないままである。

加えて、役立つ情報とはどのような情報か?を調査しながらコンテンツ作りをすると徐々に効果は高くなるので、100%は無理でも、継続的な接点作りを実現することは可能となる。

つまり、「そんなの迷惑になるからだめだ」や「そんな情報もらっても読まない」という議論をしている暇があるなら、少しでも役立つ情報とは何か?を調べてコンテンツ化し、顧客との関係を深める方に時間を費やした方が得策なのである。

そうすることで、見込み客がパッケージを見直すタイミングで「案件化」が実現する確率が大きく向上するのである。

今、この時も、あなたの知らないところで、見込み客はパッケージをどこかの業者から購入しているはずだ。そういったチャンスを逃さないように、こういった継続的な接点の創出は重要なのである。

パッケージ印刷・製造・デザインの営業の具体策

ここまでの内容をまとめると下記のようになる。

パッケージ印刷の営業課題
(1)新規顧客に入り込みにくい
(2)入り込めても案件化しにくい

これらを解決するために下記の方法がある。
(1)サジェスト分析で課題を知り営業の切り口を見つけて提案書を作る
(2)役立つ情報を送付し定期的な接点を作り案件化する

(1)に関してはサジェスト分析は今すぐにでもできることなので、一度やってみると良い。いろいろわかることもあるだろう。(2)に関しては半信半疑な部分もあるだろう。なので、下記の資料を無料でプレゼントするので、参考に一度ご覧いただければ幸いだ。

資料1(サジェスト分析で営業の切り口を見つけ新規見込み開拓をする方法をまとめた資料)
見込み客を獲得するWEBページのコンテンツ設計の仕方
〜自社の強みを生かして見込み客を獲得する方法〜

資料2(CVRを3倍、4倍に激増させたIT関連企業と製造業のWEB改善施策をまとめた資料)
WEBを活用したリードジェネレーション6つの成功事例

資料3(定期的な接点を作り案件化を実現した成功事例をまとめた資料)
BtoBコンテンツマーケティングとリードナーチャリングの成功事例
〜ほったらかしの見込み客から案件を創出した成功事例〜

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営業が難しい業界であるが、WEBやコンテンツをうまく活用すれば、突破口が作れないわけでもない。このコラムが少しでもあなたのヒントになれば幸いである。


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