BtoBリードナーチャリングの成功事例「課題調査から案件創出する方法」

BtoB(IT企業)のリードナーチャリング事例「成功の秘訣は課題調査」

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングとは、様々な手法で獲得した見込み顧客(リード)に対して、定期的な接点を作り出し、信頼関係を構築しながら、見込み顧客の購買意欲を高めるプロセスや手法、方法論のことをいう。

リードナーチャリングの詳細な概要については下記のコラムをご確認いただければと思う。

リードナーチャリングが商談発生に与える影響

リードナーチャリングとは?その意味・手法・効果・メリットを解説

2019年7月13日

リードナーチャリングの目的と課題

リードナーチャリングの目的は案件創出である。例えば、展示会で獲得したリード(名刺交換)、WEBコンバージョンで獲得したリードからの案件創出だ。こういったリードから案件を戦略的に創出するのがリードナーチャリングである。

しかし、BtoBである以上、そう簡単な話ではない。リードに対してマーケティングオートメーションなどを活用し、メール配信してもなかなか案件創出ができない。案件創出に関して、弊社にご相談いただく内容としては、下記のようなものがある。

  • 数千件のリードがあり、メール配信しているがクリック率・開封率が悪く反応がない
  • 毎回同じような内容のメールで時間とともに効果が悪化している
  • だれにどんなコンテンツを配信すれば案件創出につながるのかわからない

そこで、今回のコラムでは、約2500件のリードに対して、アンケート調査を行い、リードの課題を掴んだあと、そこからソリューション提案を行い、案件創出に成功したIT企業の事例をご紹介する。あなたのリードナーチャリングの効果アップのヒントにつながれば幸いである。

リードナーチャリング成功事例「IT企業A社の概要」

ご紹介するのは、企業に対してコミュニケーションツールを販売しているIT企業A社だ。A社の製品は、無料版とクラウド版(有料)があり、無料版でリードを獲得したのち、有料版を提案するといった営業シナリオとなっている。

無料版は、非常によくできており、クラウド版との差は、(1)一部の機能が使えない、(2)人数制限がある、の2つのみだ。利用期限も特にないため、無料版で十分というユーザーはずっと無料版を活用することができる。

このような製品であるため、無料版の利用申し込みは毎月数百件にのぼる。そのため、過去の無料版ユーザーを含めると数万件のリードを保有している状況だった。

リードナーチャリング成功事例「IT企業A社の課題」

このように、無料版の申し込みというWEBからのコンバージョンは絶えることがない状況だったが、その反面、下記のような課題を抱えていた。

A社担当者
  1. 申し込みが多すぎて1件1件対応できず、クラウド版への提案が滞っている
  2. 様々な業種のリードが存在するためリードナーチャリングしようにも何をすれば良いかわからない
  3. 過去の無料版ユーザーへのリードナーチャリングは何もできておらず、ほぼ放置状態

この結果、大きな機会損失が発生している状態だった。

リードナーチャリング成功事例「A社のリードナーチャリング手法」

このような状況のA社に対して、下記のようなリードナーチャリングを実施した。

A社のリードナーチャリングプロセス
  1. 無料版リードの社名、メールアドレスをクレンジングしターゲットリストを作成
  2. ターゲットリストに対する課題調査アンケートを設計しメールでアンケート調査を実施
  3. アンケート回答結果を集計しリードの課題をリストアップ
  4. リードの課題に対して解決方法をPDFでまとめ提案資料化
  5. PDFの提案資料が自由にダウンロードできるページを作成しターゲットリストに配信
  6. ダウンロードのあったリードを営業やインサイドセールスに送客

それでは各プロセスでどのようなことを行ったのか、詳細をご説明しよう。

リードナーチャリングプロセス1「ターゲットリストを作成」

最初に行ったのは、「無料版リードの社名、メールアドレスをクレンジングしターゲットリストを作成」だ。A社の場合、毎月大量の無料版申し込みがあるが、その中には、下記のようなユーザーも含まれていた。

リードに含まれていたユーザ
  1. フリーメールアドレスのユーザー(利用の目的が不明)
  2. 競合企業
  3. クラウド版を活用するには規模が小さい企業

こういったユーザーは案件創出しても意味がないため、リードナーチャリングのターゲットから除外する必要がある。このため、最初に行ったのは、大量にある無料版のユーザーリストから、こういったユーザーを除外する作業だ。

さらに、営業部門とも相談し「特に接点を作っていきたい企業」も無料版リードからピックアップしてもらった。これにより、リストは営業部門が接点を作りたいリードリストとなるため、案件創出後のフォロー率を高めることができる。今まで放置してきたという経緯があるため、案件創出後も放置されないように、事前に営業部門とベクトルを合わせた形だ。

作成したリストは「ターゲットリスト」として管理し、最終的に、約2500人のターゲットリストが完成した。そして、そのターゲットリストは、そのままマーケティングオートメーションに流しこんだ。

リードナーチャリングプロセス2「課題調査アンケートの設計」

次に、ターゲットリストに対する課題調査アンケートを設計しメールでアンケート調査を実施した。目的はターゲットの現時点での課題を知ることだが、アンケートの設計にはかなりの時間を要した。

なぜなら、ターゲットリストのユーザーは、無料版のユーザーであるが、全てのユーザーが必ず今も無料版を使っているとも限らないからだ。想定できるのは、(1)現在も無料版を使っている、(2)無料版を使っておらず他社のコミュニケーションツールを使っている、(3)コミュニケーションツールそのものを使っていない、の3つである。

これら3つのパターンにおいて、「リードの今の課題」を調査しなければならない。

現在も無料版を使っているターゲットへのアンケート

まずは、「(1)現在も無料版を使っている」というターゲットに対するアンケートだ。現在も無料版を使っているため、無料版で十分満足できているという可能性がある。しかし、場合によっては、もっとこういう機能が欲しいといった要望があるかもしれない。

このあたりをアンケートで確認する必要があった。そこで、アンケートでは、下記のような内容を確認した。

アンケートで確認した主な内容
  • 特に気にっている機能は何か?
  • 逆に不便だと思う機能は何か?
  • 不便だと思う機能について改善して欲しい内容を具体的に記入

他社のコミュニケーションツールを使っているターゲットへのアンケート

次に、「(2)無料版を使っておらず他社のコミュニケーションツールを使っている」というターゲットに対するアンケートだ。昔は無料版を使っていたが、何かの理由で他社ツールに切り替えているユーザーだ。

このため、他社ツールの名前と不便な点を確認し、そこから案件創出を狙う必要がある。そこで、アンケートでは、下記のような内容を確認した。

アンケートで確認した主な内容
  • いつから他社ツールを使っているか?
  • そのツールの名前は?
  • そのツールに変更した理由は?
  • そのツールの良い点は?
  • そのツールの不便だと思う機能は?

コミュニケーションツールそのものを使っていないターゲットへのアンケート

最後に、「(3)コミュニケーションツールそのものを使っていない」というターゲットに対するアンケートだ。昔は無料版を使っていたが、何かの理由でツールを使わなくなったユーザである。

このため、なぜコミュニケーションツールを使わなくなったのか、そして今はどうしているのか?を確認し、そこから課題点を分析する必要がある。そこで、アンケートでは、下記のような内容を確認した。

アンケートで確認した主な内容
  • なぜコミュニケーションツールを使わなくなったのか?
  • コミュニケーションツールの代わりに何を使っているか?
  • その代わりの方法の良い点は?
  • その代わりの方法の悪い点は?

このように、3つのアンケートを設計し、ターゲットリストのリードへのアンケート調査を実施した。各アンケートの狙いは、「悪い点」を聞き出し、そこから課題を分析してソリューション提案につなげることだ。

アンケートを設計後、WEBアンケートフォームを作成し、アンケートをお願いするメールをライティングした。そして、約2500人のターゲットリストにメールを配信した。回答率を少しでも高めるために、マーケティングオートメーションのステップメールを活用し、リマインドメールも送付した。

その結果、約200人弱からの回答を得ることに成功した。回答率を高めるためのメールライティング等、様々な工夫をした結果の成果である。

リードナーチャリングプロセス3「アンケート結果の集計と分析」

次に、「アンケート回答結果を集計しリードの課題をリストアップ」した。約200人分の回答があったが、有効回答のみを選定し、回答の内容を分析した。下記はその分析結果だ。

アンケート回答結果を集計しリードの課題をリストアップ

回答結果は、(1)現在も無料版を使っている、(2)無料版を使っておらず他社のコミュニケーションツールを使っている、(3)コミュニケーションツールそのものを使っていない、のそれぞれのターゲットで細かく分類し、それぞれの課題をリストアップしていった。

その結果、例えば、下記のような悪い点が記載されていた。

  1. 社内LANのみで活用しているが、外部からのアクセスができるようにしてほしい
  2. Googleカレンダーと連携できないのか?
  3. ポータルとして活用したいがメニューが追加できない

さらに、フリー記入欄には下記のような回答もあった。

  1. カスタマイズして欲しい部分があるので相談に乗って欲しい
  2. 無料版をずっと使っているが人数も増えてきたのでクラウド版の概要が知りたい

このような結果を受けて、それぞれの回答に対してどのように対応するかを検討した。

リードナーチャリングプロセス4「課題別のソリューション提案資料を作成」

回答結果を分析した後、すぐに営業送客すべき回答(クラウド版の見積りが欲しいというような回答など)については、すぐに営業部門に展開した。それ以外の回答については、課題をリストアップして、課題に対しするソリューション提案資料を作成した。

たとえば、「社内LANのみで活用しているが、外部からのアクセスができるようにしてほしい」というような回答に対しては、「社外からのアクセスも可能!クラウド版の概要について」といった資料だ。

こういった課題に対しての回答用の資料を10資料ほど作成した。ほとんどは社内のファイルサーバーに眠っていた過去の資料を再利用したが、新しくマーケティング部門や営業部門で作成した資料もある。

リードナーチャリングプロセス5「ソリューション提案資料のダウンロードページを作成」

資料を作成した後、その資料をダウンロードできるWEBページを作成した。ターゲットリストが回答した課題に対して、解決方法を紹介するPDFの資料の一覧ページだ。

そして、このページのURLを全員に送付し、資料ダウンロードへと誘導した。

資料ダウンロードはフォームを通過しないとダウンロードできない仕組みとし、コンバージョンのあったリードを把握できるようにした。

リードナーチャリングプロセス6「コンバージョンのあったリードを送客」

そして最後に、資料ダウンロードコンバージョンのあったリードを営業部やインサイドセールスに送客した。最終的に、約30件の案件を創出することに成功した。

リードナーチャリング手法まとめ

以上がA社のリードナーチャリングプロセスである。再度下記にそのプロセスをまとめる。

A社のリードナーチャリングプロセス
  1. 無料版リードの社名、メールアドレスをクレンジングしターゲットリストを作成
  2. ターゲットリストに対する課題調査アンケートを設計しメールでアンケート調査を実施
  3. アンケート回答結果を集計しリードの課題をリストアップ
  4. リードの課題に対して解決方法をPDFでまとめ提案資料化
  5. PDFの提案資料が自由にダウンロードできるページを作成しターゲットリストに配信
  6. ダウンロードのあったリードを営業やインサイドセールスに送客

A社が成功したポイントは、「リードの課題を調査しその課題に対するソリューションをPDF化したこと」にある。リードの数が数千、数万件となると、リード登録から時間が経過しているリードも存在する。そうなると、課題も変わっている可能性が高い。

だからこそ、今の課題を調査し、それに対してソリューション提案する必要があり、そこから案件の創出をすべきなのである。あなたも、リードからの案件創出で悩んでいるなら、一度このプロセスを設計してみてはいかがだろうか?

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