更新日:

2018年9月15日

BtoBの営業戦略の立て方「作戦・戦術・計画による立案とサンプルテンプレート」

BtoBの営業戦略を立案する方法
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自社のリソースを活用して効果的な営業戦略を立案し、そしてPDCAを回すことは、営業力の強化に必須である。しかし、どのように戦略を立案すれば良いのか、何をKGIやKPIに設定すれば良いのか、どのようにPDCAを回せば良いのかわからないといった疑問も多いだろう。

加えて、ここ最近、BtoBの営業戦略が大きく変わりつつある。その要因の1つが、デジタルの影響である。事実、トライベック・ブランド戦略研究所の調査によると、BtoBにおいて「製品・サービスを購入する際に最もよく活用する情報源」の第1位がWEBサイトなのである。

参考:トライベック・ブランド戦略研究所「BtoBサイト調査2017」
http://brand.tribeck.jp/research_service/websitevalue/bb/bb2017/

このように、デジタル技術の進化により、BtoBの営業戦略は大きく変わりつつある。

そこで、今回のコラムでは、デジタル技術の活用をおりまぜつつ、戦略を「作戦・戦術・計画」の3つに分けて立案する「BtoBの営業戦略の立て方」とKGIやKPIの設定の仕方について、詳しくご紹介しよう。

自社には営業戦略と呼べるようなものがないと悩んでいる方、属人的な営業で営業部がバラバラと感じている方、人海戦術ばかりでもっと効率よく営業できるのではないか?と考えている方など、少しでもヒントにつながり、御社の営業戦略の立案や見直しに貢献できれば幸いである。

戦略とは?

戦略をWikipediaで調べると下記のような定義となっていた。

戦略(せんりゃく、英: Strategy)は、一般的には特定の目標を達成するために、長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術・科学である

Wikipedia 戦略から引用(2018年9月15日確認)

わかりやすく言えば、戦略とは「今ある自分が持っている力をうまく活用して、やりたいことを実現する方策」となる。つまり、やりたいこととは目的であるため、「目的を達成する自分にできる最も効率の良い方策」を考えることが戦略立案ということだ。

では、営業戦略の立案となるとどうなるか?

営業の目的は「あなた(御社)の製品・サービスる売ること」なので、営業戦略とは「あなた(御社)の製品・サービスる売るために、あなた(御社)にできる最も効率の良い方策を考えること」となる。

このように言うと、「え?それなら電話営業の効率をあげればいいのでは?」と考えてしまいがちだが実はそうではない。電話営業も「営業の方法」としては立派な手法であるが、営業戦略から見れば「1つの手段」でしかない。Wikipediaの定義にもあったように、戦略は「長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する」ことであるため、電話営業にこだわる必要はないのである。

逆の言い方をすれば、「電話だけでBtoBの営業は完了しますか?それって効率いいですか?」ということになる。

戦略を「作戦・戦術・計画」の3つに分けて考える

では、この営業戦略(あなたの製品・サービスる売るために、あなたにできる最も効率の良い方策)をどのように立案すればよいだろうか?わかりやすい営業戦略の立案方法として、弊社では、戦略を3つに分解して考えている。

その3つというのが、

1:作戦
2:戦術
3:計画

である。

作戦とは、「戦略の目的を達成するために実現しなければならないこと」である。戦略には、目的があったように、作戦には「使命」があり、この使命を全て達成することで、戦略の目的も達成される。つまり、「戦略は複数の作戦からなる」というわけだ。図解化すると下図のようになる。

営業戦略の作戦と使命

戦術とは、「作戦の使命を実現する方法論」のことである。どんな武器を持ってどう戦うのか?を決めることになる。BtoBの場合、武器の選定が限られてしまうが、自社のリソースをうまく活用できる武器を選ぶことがポイントとなる。さらに、PDCAを回すためには数値による効果の把握も重要であるため、数値化しやすい武器を選ぶことも重要だ。営業戦略の作戦と戦術を図解化すると下図のようになる。

営業戦略の作戦・使命・戦術

そして計画とは、戦術をいつまでにやるのか?誰がやるのか?を決めることである。作戦・戦術があっても、そこに時間軸がなければ戦略とは言えない。

それでは、具体的に作戦・戦術・計画についてご説明しよう。

営業戦略における「作戦」

まずは営業戦略の作戦を考える。作戦の段階では、「どうやってやる?」というような戦術レベルの検討はせず、「何をしなければならないか?」を考える。そして、作戦を考えたら、「作戦名」をつけるとよい。作戦名は、社内共通語にもなるので、戦略の話をする時に論点がずれることも少なくなる。

では、BtoBの営業戦略の場合、「あなたの商品を売る」には、何をしなければならないだろうか?

たくさんやらなければならないことがあるが、BtoBの営業戦略の場合、営業シナリオから考えれば、やらなければならないことは、大きく4つにわけることができる。

BtoBの営業シナリオと4つのやらなければならないこと
(1)見込み客を獲得する
(2)見込み客を育成する
(3)クロージングする
(4)顧客維持する

つまり、この4つが「営業戦略上やらなければならないこと」である。ではこのやらなければならないことに対して、どんな作戦があるのか、考えてみよう。

「見込み客を獲得する」ための作戦

新規の見込み客を獲得するには、自社商品のことを知ってもらい、興味を持ってもらい、そして名刺交換などをして、見込み客リストをつくらなければならない。

そのため、作戦としては、下記の2つが考えられる。

作戦1 認知拡大作戦:使命は自社の製品のことを知ってもらうこと
作戦2 興味付け作戦:使命は自社製品に興味を持ってもらい見込み客になってもらうこと

「見込み客を育成する」ための作戦

次に、BtoBの場合は、見込み客になっても、すぐに契約になることはほとんどない。見込み客の育成が必要になる。この育成の段階では、見込み客の悩みや課題を知り(ニーズを知る)、買おうかどうか検討してもらうことが重要だ。

そのため、作戦としては下記の3つが必要になる。

作戦3 信頼性向上作戦:使命は自社のことを信頼し頼ってもらうこと
作戦4 リサーチ作戦:使命はお客様の課題・ニーズを知ること
作戦5 購入動機付け作戦:使命は自社製品を買おうかどうか検討してもらうこと

「クロージングする」ための作戦

クロージングとは、実際に売り込みをすることなので、「提案営業すること」が重要となる。そのため、お客様の課題を解決する「ソリューション」を提案することが作戦の1つとして考えられる。

よって、クロージングするための作戦とは、

作戦6 ソリューション提案作戦:使命は実際に売ること・買ってもらうこと

となる。

「顧客維持する」ための作戦

実際に買ってもらったら、顧客を維持しなければならない。これも営業戦略の重要な作戦になる。顧客を維持するためには、購入後、「売りっぱなし」にするのではなく、使ってみてどうか?課題は解決したか?改善点はないか?などを確認し、そこからさらなる課題を見出し次の提案につなげる必要がある。

そのため、作戦としては下記の2つが必要となる。

作戦7 顧客満足度調査作戦:使命は満足度を高めファンになってもらうこと
作戦8 課題発見作戦:使命は今の課題を把握し次の提案につなげ購入してもらうこと

営業戦略の作戦まとめ

このように4つの営業シナリオから作戦を絞り出すと、下記の8つの作戦があることがわかる。

<8つの作戦>

  • 作戦1 認知拡大作戦:使命は自社の製品のことを知ってもらうこと
  • 作戦2 興味付け作戦:使命は自社製品に興味を持ってもらい見込み客になってもらうこと
  • 作戦3 信頼性向上作戦:使命は自社のことを信頼し頼ってもらうこと
  • 作戦4 リサーチ作戦:使命はお客様の課題・ニーズを知ること
  • 作戦5 購入動機付け作戦:使命は自社製品を買おうかどうか検討してもらうこと
  • 作戦6 ソリューション提案作戦:使命は実際に売ること・買ってもらうこと
  • 作戦7 顧客満足度調査作戦:使命は満足度を高めファンになってもらうこと
  • 作戦8 課題発見作戦:使命は今の課題を把握し次の提案につなげ購入してもらうこと

本記事の上部で、

「え?それなら電話営業の効率をあげればいいのでは?」

と記載した部分があるが、この8つの作戦をすべて電話営業だけで実行するのは、現実問題として無理がある。そのため、電話営業は手段の1つにすぎないというわけだ。

また、作戦同士は連動することも重要である。例えば、リサーチ作戦とソリューション提案作戦は、リサーチ作戦で顧客ニーズを確認し、ソリューション提案作戦でニーズのある提案をするという連動をしている。こういった連動は戦術レベルでどう連動させるか?を考える必要があるが、連動がないと作戦の使命は効率よく達成できない。各作戦は独立しているわけではなく、各作戦間で連動・依存関係にあるのだ。

最後に付け加えるが、この8つの作戦は内容が変わったり、作戦数が上下することがある。これは業界特性や商材特性などが大きく影響しているためだ。そのため、あなたの業界や商材特性を考えて作戦を検討しよう。

営業戦略における「戦術」

作戦が決まったら戦術である。戦術では、下記の3つのことを決める。

(1)手段(方法論):どうやってやるか?武器は何か?
(2)効果指標:使命を達成するための指標は何か?
(3)誰がやるか(社内?社外?):担当者は誰が適任か?

営業戦術の手段(方法論)「どうやってやるか?武器は何か?」

まず手段(方法論)であるが、作戦の使命を達成するためにどのような手段がよいかを選択する。Wikipediaの戦略の定義にも「力や資源を総合的に運用する」とあるが、「統合的な運用」が手段の選択に当たる。あなたは今、何ができるだろうか?会社でできること、やってきたことを考え手段を選定しよう。

この手段の選定にデジタル技術の進化が大きな影響を与えつつある。冒頭のトライベック・ブランド戦略研究所の調査結果だけでなく、最近ではMA(マーケティングオートメーション)といったITツールを活用した見込み客の育成が盛んに行われている。以前は戦術として「デジタル」は選択肢に入らなかったが、今は逆でむしろ積極的に選択肢に入れていかなければならない時代なのである。

わかりやすく言えば、デジタル(WEBやメールを中心としたデジタルコンテンツ)を活用して、新規見込み獲得から見込み客の育成をどのように行うか?が、効率の良い営業戦略を立案する上で重要な要素になってきているのである。

営業戦術のすべてを電話営業や飛込営業のような人間がやるという選択だけでなく、デジタル技術をどう使うか?という視点で、手段を選定すると良いだろう。そのときに、社内のリソース(スキルなど)がうまく活用できれば理想的である。

営業戦術の効果指標「使命を達成するための指標は何か?」

「効果指標」は、「何をもって作戦の使命が達成されたか?」の判断基準である。選定した手段の効果・成果を数値化し、作戦の使命が果たされているのかを確認できるようにしよう。KPIやKGIと言われる指標がこれにあたる。この指標がないと、PDCAサイクルを回すこともできない上に、戦略から見たとき、どの戦術がネックになっているのか?を把握することもできない。

手段を選定したからといって、作戦が成功するとは限らない。だからこそ、PDCAが回せるようにしておくことが重要なのである。

デジタル技術の進化はこの「効果指標」にも影響を与える。なぜなら、デジタルであるため、数値化しやすいからだ。数値化しやすいと効果分析の工数も少なく、かつスピーディーにPDCAを回すことが可能となる。これもデジタルの利点の1つである。

営業戦術を誰がやるか

そして最後の「誰がやるか」であるが、社内の担当者ができるなら、それが一番理想的である。

しかし、すぐに成果がでるか?というとそうでもないため、選択した手段によっては、外部の業者と連携して戦術を実行することも検討しよう。

たとえば、WEBには「新規見込み客の獲得」という使命がある場合、「かっこいいホームページが作れる制作会社」よりも、「新規見込み客が獲得できる制作会社」に依頼するほうがよい。

このように、作戦・使命・戦術(手段)を見ながら、誰に任せるべきか?を考え、人選や業者選びをすると良い。

BtoBにおける営業戦術の手段一覧

戦術レベルでは手段の選択が必要と上述したが、BtoBの場合、その手段には限界がある。特にBtoBの場合は下記のような手段が中心になるだろう。

・印刷物(チラシ、DMなど)
・WEB・MAなどデジタル技術の活用
・人材(電話営業・飛込営業)
・展示会やセミナー
・FAX

これらの手段は、作戦との相性があるので注意してほしい。例えば、すべての作戦を人材がやる場合は大変である。俗に言う人海戦術と言われるものになるが、人材が大量に必要になり、最終的には属人的な営業になってしまい、各自が勝手に営業しているというような状況になる可能性がある。

こうなると戦略も作戦もなにもない。ただ当人が当人のやり方で営業しているだけということになる。それで売れるならよいが、売れなくなったら対処のしようがない。営業成績が悪化している理由や改善すべき箇所もわからず、闇雲に手を打つことになる。気合い・勘・根性で営業してこいというようなものだ。

営業戦略における「計画」

戦術まで決まったら、最後は計画を立てる。手段と誰がやるのか?が決まっているし、戦略の目的をいつまでに達成したいか?などもあるので、そこから戦略の計画を立てよう。

無理な計画は禁物で、焦らずじっくりやることも重要である。すべての戦術がいきなり成功するようなことなどなかなかなく、効果の指標をみながらPDCAを回していくしかない。そのため、PDCAのサイクルの計画も立てておこう。

PDCAサイクルは、●ヶ月で1回転するという具合に、計画を考えると良い。弊社はBtoBに特化したデジタルマーケティングによる営業戦略の立案を得意とするが、デジタルを活用する場合は、3ヶ月で1回転や半年で1回転というようなケースが多い。早い場合は2ヶ月で1回転という場合もある。

この計画を立てることができれば、営業戦略の立案は完了である。あとは作戦の使命を達成すべく、走り出すのみだ。そして使命が全て達成された時、あなたは営業は成功したといえる。

BtoBの営業戦略の立て方と営業戦略のサンプルテンプレートシート

以上が営業戦略の立て方である。

なお、この記事で紹介した営業戦略の立て方については、下記のPDFに詳細をまとめてあるので、ぜひダウンロードしてご活用いただければ幸いである。

【無料】BtoB向けの営業戦略の立て方(営業戦略のサンプルシート付き)
https://homepage.aluha.net/contact/white-paper/#r04

上記では、営業戦略を俯瞰するサンプルテンプレートシートもダウンロードできる。

営業戦略のサンプルテンプレート
営業戦略を俯瞰するサンプルテンプレート

営業戦略のサンプルテンプレートは下記のような特長をもたせてあるので、ぜひ参考にしてほしい。

(1)作戦・戦術に分解した営業戦略が俯瞰できること
(2)各作戦・戦術ごとのKGIやKPIがわかること
(3)各作戦・戦術ごとで見込み客とどのようなコミュニケーションを取るべきかがわかること

あくまで営業戦略のテンプレートのサンプルなので、あなたもこのサンプルを参考に、自分なりの営業戦略シートを作成して見るとよいだろう。

IT企業向けの営業ノウハウやWEBを活用した営業戦略の成功事例など

このほか、営業戦略に関しては、下記のようなPDF資料もご用意している。

【無料】BtoBのWEB戦略の立て方( WEB戦略の年間計画シートのサンプル付き)
https://homepage.aluha.net/contact/white-paper/#r16
BtoBのWEB戦略を、「集客強化作戦」「フォームへの誘導作戦」「フォームでの問い合わせ獲得作戦」の3つに分解して立案する方法を紹介している資料。WEB戦略の年間計画サンプルシートも。

【無料】ITソリューションのリードを獲得するWEBサイトの作り方
〜「課題から製品を探す」のページはこうやって作るべき!〜

https://homepage.aluha.net/contact/white-paper/#r11
IT企業向けのWEB活用術についてまとめた資料。新規リードを獲得するためのコンテンツの作り方が学べる。

営業戦略を作戦に分解するポイント

それでは、営業戦略を作戦に分解する方法について、さらに詳しくご紹介しよう。作戦に分解する方法については、下記コラムで詳しくご紹介しているので、引き続きご覧いただければと思う。

BtoBの営業戦略の立て方「営業戦略を作戦に分解する方法」
https://homepage.aluha.net/column-wp/btob-strategy-operations-201809

※この記事は、2015年10月8日に公開した記事を2018年9月15日に最新版としてリライトしています。

2018年9月15日BtoBマーケティング「THREE-VIEW」

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