BtoBマーケティングの切り口アイディアを他部門と協力して出す方法

BtoBマーケティングやプロモーションのアイディアの出し方
Last Updated on 2024年4月1日 by 荻野永策

BtoBマーケティングの施策には、「どういう切り口で展開するか?」というアイディアが必要だ。例えば、「どういう切り口のオンラインセミナーにするのか?」「どういう切り口の提案書を作成するか?」「どういう切り口の展示ブースを作るか?」などである。常に同じ切り口だとマンネリ化してしまい、ジリ貧となってしまう。そのため、切り口を随時変更していくことが重要だ。しかし、その切り口のアイディアが全く出てこないといったことがある。実際に弊社にも下記のようなご相談があった。

プロモーションする際の切り口のアイディアがなかなか担当者から出てこない(2022年10月12日 G社A氏)

そこで今回のコラムでは、BtoBマーケティングにおける「切り口のアイディアの出し方」について解説する。アイディアがマンネリ化したときの対処法として本コラムをご活用いただければと思う。

検索キーワードから切り口のアイディアを出す方法

アイディアの出し方としては、複数のアプローチ方法があるが、今回ご紹介する方法は、検索キーワードから切り口のアイディアを出す方法だ。今すぐ誰でも手軽にできる方法であるため、弊社もアイディアのきっかけや起点を作りたいときに、最もよく使う方法である。しかも無料でできる!

切り口のアイディアを出すプロセスは下記の通りだ。

切り口のアイディアを出すプロセス
  1. 自社製品に関連するキーワードをリストアップ
  2. キーワードのサジェストワードを調査
  3. サジェストワードを見ながら関係者で議論しアイディアを出す

自社製品に関連するキーワードをリストアップ

最初に行うのは、マーケティングやプロモーション活動を展開したい製品・サービスに関連するキーワードをリストアップする。キーワードは製品名、社名、サービス名、型番号といった「ブランド名」や「社内用語」ではなく、自然言語(一般用語)や業界用語を中心にリストアップしよう。多ければ多いほど、のちの作業が大変にはなるが、その分視野の広いアイディアを出すことができるようになるので、最低でも10個程度を目安にリストアップしてほしい。10個もなければ、出せる数でいったんOKだ。リストアップしたら、「キーワードリスト」をエクセルで作成しよう。

キーワードのサジェストワードを調査

「キーワードリスト」を作成したら、次は各キーワードの「サジェストワード」を調査する。「サジェストワード」とは、デジタルマーケティングやWEBマーケティング業界の業界用語であるが、下記のようにGoogleの検索ボックスにキーワード(例:コーヒー)を入れるとプルダウンで出てくるワードのことを「サジェストワード」という。「Googleサジェスト」や「サブワード」と言われるようなこともあるが、ここでは「サジェストワード」と呼称する。

サジェストワード

サジェストワード

「サジェストワード」には、検索者の検索ニーズが含まれている可能性がある。なぜなら、検索者が「検索してでも知りたい情報」だからだ。そのため、このサジェストワードに「切り口のヒント」が隠されている可能性があるのだ。

上記のGoogleの検索ボックスでは、最大でも10個程度のサジェストワードしか表示されないため、全てのサジェストワードを取得することができない。そこで下記の無料(記事執筆時点)ツール「ラッコキーワード」を使って、全てのサジェストワードを調査しよう。

サジェストワード調査例:コーヒー

サジェストワード調査例:コーヒー

ラッコキーワードはGoogleサジェストワードを全て取得してくれる便利なツールだ。上記は「コーヒー」を例にした画面である。CSVダウンロードできるので、「キーワードリスト」のキーワードすべてでサジェストワードを調査し、CSVでダウンロードしよう。

注意点としては、「サジェストワードが存在しないワード」もある。かなり専門的・技術的でマニアックなキーワードである場合は、サジェストワードが取得できない。また、キーワード「IT」のように、英語のワードの場合は、ITから始まる全てのワードのサジェストワードが取得されてしまうので、意図しないサジェストワードも表示される。

サジェストワード調査例:IT

サジェストワード調査例:IT

上記のようにITのサジェストワードだけでなく、「一番くじ」のようなワードも出てきてしまう。こういった場合はCSVでダウンロードしたあと、関係のないワードをすべて手作業で削除しておこう。

サジェストワードを見ながら関係者で議論しアイディアを出す

CSVでサジェストワードを入手できたら、そのワードを見ながら、切り口のアイディアの議論を行う。このとき、関係者・担当者には、「検索者が検索してでも知りたい情報であるため、切り口のヒントになる可能性がある」と議論前に伝えよう。そうすれば、議論が発散することや、「声の大きな個人(思い込みの激しい人など)の意見ばかりが採用される」といったこともある程度防ぐ効果が出てくる。

それでは実際にキーワード例をいくつかピックアップして、切り口のアイディア出しを行なってみよう。

実際に切り口を見つけてみよう!具体例のご紹介

キーワード:「フランチャイズ」

最初にキーワード「フランチャイズ」でやってみよう。下記が調査結果画面だ。

サジェストワード調査例:フランチャイズ

サジェストワード調査例:フランチャイズ

大量のキーワードが出てくるので、この中からヒントを探ってみよう。例えば、「悪評・悪質」といったワードがある。これは「フランチャイズ加盟」を検討している検索者が、「失敗を恐れて悪評・悪質なフランチャイズ」を調査している可能性がある。そういった検索者がいることがわかるため、切り口アイディアとしては「粗悪なフランチャイズ本部を加盟前に見抜くコツ」といった切り口でプロモーション展開するのもよさそうだ。

このようなイメージでヒントとなりそうなサジェストワードを見つけては、切り口化できないか検討すると良い。

キーワード:「RPA」

次はキーワード「RPA」でやってみよう。下記が調査結果画面だ。

サジェストワード調査例:RPA

サジェストワード調査例:RPA

RPAはITツールの1つで、事務業務などを自動化するシステムのことだ。IT業界の業界用語といってよいだろう。RPAのサジェストワードを見てみると、「AI組み合わせ例」といったワードがある。これは「すでにRPAを導入していてAIと組み合わせて活用してより高度な自動化を実現したい」と考えている検索者がいることが想定できる。そのため、「RPAをより高度に活用するAI組み合わせ手法」といった切り口でプロモーションを展開するとよいということがわかる。

検索キーワードを活用するときの注意点

以上、BtoBマーケティングやプロモーションの切り口アイディアの出し方について解説した。あくまで検索キーワードからの調査であるが、「検索してでも知りたいこと」であるため、アイディア出しのヒントになるだろう。ただいくつか注意点もあるので最後に記載しておく。

検索ボリュームを判断材料に入れる

1つ目の注意点は、検索ボリュームだ。検索ボリュームは「キーワードが月間何回くらい検索されているか?」の検索回数のことで、数が多いほどニーズも多いということになる。検索ボリュームはGoogleのキーワードプランナーというツールで調査できるので、Google広告を出さないと使えないが、ぜひこちらもあせて活用してほしい。切り口に迷ったときの判断基準のデータとなる。

自社製品・サービスとの相性

もう1つの注意点は自社製品・サービスとの相性を考慮しなければならないことだ。サジェストワードであればなんでも良いというわけではなく、当然、自社製品・サービスのマーケティング活動に活用するキーワードであるため、相性が良いワードでなければならない。

この2つを注視しながら、御社のアイディア出しにサジェストワードをぜひ活用していただけたらと思う。


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