BtoBマーケティングとは?マーケティング手法編「8つの施策と20の手法・ツール」

BtoBマーケティングの施策別20の手法とメリット・デメリット

今回のコラムでは、BtoBマーケティングでは、どのようなマーケティング手法・ツールがあるのか、その詳細をBtoBマーケティングの施策別に詳しくご紹介する。ツールの導入検討の参考にもしていただければと思う。

BtoBマーケティングの8つの施策

BtoBマーケティングとは?」では、BtoBマーケティングではどのようなことをするのか?について、下図のように8つの施策に分解してご紹介した。

BtoBマーケティングサイクル

では、この8つの施策に対して、どのようなマーケティング手法があるのか、どんなツールが使えるのか、詳しくご紹介しよう。

BtoBマーケティングの施策と20の手法・ツール

8つの施策別にBtoBマーケティングのマーケティング手法やツールをまとめると上表のようになる。業界や製品特性によっては使えないマーケティング手法やツールもあるが、1つ1つ詳細をご紹介しよう。

BtoBマーケティングの20の手法とツール

施策1「顧客ニーズを知る」の手法

「顧客ニーズを知る」とは、顧客満足度調査や見込み顧客(リード)のニーズ調査で蓄積されたさまざまなニーズを分析し、顧客や見込み顧客(リード)が「お金を払ってでも解決したい課題は何なのか?」を知ることだ。そのため、下記の3つのニーズを分析するといい。

BtoBマーケティングにおける3つの顧客ニーズ

「既存顧客のニーズ」とは、御社の既存顧客が抱えている新しい課題のことだ。顧客満足度調査などで把握することができる。

「既存リードのニーズ」とは、御社の見込み顧客(リード)が抱える課題のことだ。既存リードに対してアンケート調査などを行い把握することができる。

「業界課題・社会課題」とは、御社のターゲット業界や日本社会が抱える課題のことだ。このレベルの課題は、いずれ顧客や見込み顧客(リード)の課題となるため、ニーズを先読みすることができる。

このような3つのニーズを知ることで、今後、どのような商品やサービスを開発し、どう営業戦略に落とし込んでいけばいいか?などが具体化しやすくなる。

活用できるツールとしては、テキストマイニングツールやBIツールといったツールが活用できるだろう。

施策2「売れる商品を作る」の手法

「売れる商品を作る」とは、「お金を払ってでも解決したい課題」に対して、自社の強みを生かしながら、製品やサービスを開発・改善していくことだ。

この施策では、施策1で分析した顧客ニーズをどう商品企画や設計に活用できるか?がポイントとなる。例えば、業界や顧客特性・商品特性にもよるが、下記のような手法で売れる商品作りを行うことも可能だろう。

施策2:売れる商品を作るための手法・プロセス

このような手法で開発された商品やサービスは、売れる可能性が高くなる。その最大の理由は、市場投入時にはすでに実績があり(モニター企業が使っているという実績)、かつ、ニーズのエビデンスがしっかりあるからだ。

全てのBtoB企業でこのような商品開発の手法がとれるというわけではないが、できる商品はこういった手法を取り入れながら、開発を進めるといいだろう。

施策3「見込み客を獲得する」の手法(リードジェネレーション)

「見込み客を獲得する」とは、その名の通り、開発した製品・サービスの見込み顧客(リード)を獲得することだ。BtoBマーケティングでは「リードジェネレーション」と言われている。今までは営業部門の役割であったが、最近では営業効率化のため、マーケティング部門が実施しているケースが多い。主な手法・ツールを下記の表にまとめた。

施策3:見込み客を獲得するの4つの手法やツール

それぞれ一長一短あるので、それぞれのメリット・デメリットを簡単にご紹介しよう。

Webサイトで見込み顧客(リード)を獲得する

自社のWebサイトを活用して、問い合わせ(見積り依頼、資料請求など)を獲得し、見込み顧客(リード)を獲得する手法。

メリットは、安定した見込み顧客(リード)の獲得が実現できることだ。見込み顧客(リード)から資料請求や問い合わせが来るため、アポイントも取りやすく、案件化・商談化もしやすい。当然、人が見込み顧客(リード)の獲得を行うわけではないため、費用対効果も高く、効率も非常に高くなる。

BtoB企業における、Webサイトの活用調査(BtoBサイト調査2019:http://brand.tribeck.jp/research_service/websitevalue/bb/bb2019/)によると、新規取引先を探す時の情報収集の手段として、「Webサイトをみる」というBtoB企業が64%を超えているのである。そのため、Webサイトを活用したリードジェネレーションは重要性・必要性ともに非常に高い。

今後、BtoB企業でも注力していかなければならないマーケティング手法となっている。

逆にデメリットは、Webコンテンツの作成や更新といった工数が必要になり、かつ、軌道に乗せるにはBtoBに特化したWebマーケティングやWeb戦略のスキルが必須となる。加えて、社内理解が少ないケースも多く、なかなかリソースがつかないことが多い。

セミナーで見込み顧客(リード)を獲得する

BtoBの場合、BtoCのセミナーとは違い、2つのセミナーを実施することができる。1つは、セミナー会場に見込み顧客(リード)に来場してもらい実施するセミナー(Webのオンラインセミナーも含む)、もう1つは、見込み顧客(リード)のオフィスに講師が伺い個別に実施するセミナーだ。

メリットは参加者とは名刺交換でき、その後、商談化する可能性が高いことだ。加えて、自社セミナーであれば、毎月実施しようと思えば実施できるため案件化・商談化のタイミングを作りやすい。

デメリットは、セミナーの集客だ。自社の顧客や見込み顧客(リード)にメールなどを活用して案内し集客することもできるが、そういったことができない場合は、集客方法を検討しなければならない。

セミナーの集客については、Peatix(https://peatix.com/)のようなサービスを活用して集客を強化することもできるので、活用できそうであれば検討するといいだろう(セミナーの内容、ターゲットによるため使えるかどうかは要検討)。

またセミナーは1回やって終わりではなく、継続しないと安定感が生まれない。そのため継続するだけのリソースやネタが必要となる。

展示会で見込み顧客(リード)を獲得する

展示会のメリットは、数日出展すれば、数百枚程度の名刺交換ができ、そこから商談になるケースがあることだ。ただし、名刺交換した全見込み顧客(リード)と商談が進められるわけではないため、展示会後のフォローアップや継続的な接点作りを戦略的に考えておかなければ効果は最大化しないだろう。

デメリットは、出展コストが高くなることと安定感のなさである。毎月出展すれば安定感は高くなるが(毎月出展できるほど展示会があればいいが・・)、その代わりコストが高くつく。逆に不定期に出展すると安定感がなくなる。

電話営業で見込み顧客(リード)を獲得する

電話営業のメリットは、担当者にさえ繋がり、話を聞いてもらえればアポイントにつながる可能性があることだ。そのため、ある程度の確率論でアポイントがとれる。さらに、費用対効果の計測も行いやすい。

デメリットは、担当者につながりにくいことだ。基本、電話に出た方の対応によって全てが決まってしまう。

以上がBtoBの見込み顧客(リード)の新規獲得に関する4つの手法だ。下記にそれぞれのメリットデメリットをまとめたので手法選定に活用していただければと思う。

施策3:見込み顧客(リード)を獲得する4つの手法・ツールのメリット・デメリット

施策4「見込み客を育成する」の手法(リードナーチャリング)

「見込み客を育成する」とは、獲得した見込み顧客(リード)に対して、中長期的に接点を構築し、信頼関係を作り上げていくことだ。BtoBマーケティングでは「リードナーチャリング」と言われている。営業部門の仕事と言える業務でもあるが、新規見込み顧客(リード)の数が増えてくると営業部門はフォローできなくなるため、マーケティング部門がデジタル(メールなど)を活用して実施する企業が増えている。営業部門との連携が重要な施策となる。

BtoBの代表的な手法は、主に下記の3つの手法がある。

施策4:見込み客を育成するの手法やツール

ポイントは商材や顧客特性によって、メールや訪問、電話をうまく使い分けることだ。

例えば、オンライン決済できるようなBtoB商材であれば、メールだけで十分なケースが多い。低価格なクラウドサービスなどが良い例である。逆に、訪問しないと売れないというような商材(デモが必要な商材など)はメールは使えない。このような場合はすべて訪問か電話営業になるだろう。

このように、BtoBはメール・訪問・電話といった手法をうまく組み合わせて見込み顧客(リード)の育成を効率化する必要がある。すべて人(営業担当者)が動かないといけない商材なのか、そうでないのか、その判断を行い、最適な手法を選定しよう。

リードナーチャリングにおけるリードのニーズ調査

さらに、リードナーチャリングでは、見込み顧客(リード)の育成だけでなく、ニーズ調査も実施する。見込み顧客(リード)に対して課題を調査し、その内容に合わせて解決方法を提案することで、案件化・商談化できる可能性が高くなる。

加えて、収集した見込み顧客(リード)の課題は、「施策1:顧客ニーズを知る」という施策にも展開できるため、売れる商品作りにおいても必須であるといえる。

インサイドセールスによるリードナーチャリング

BtoBのリードナーチャリングの場合、「訪問」が最も効果を発揮する。なぜなら、見込み顧客(リード)の育成において、「対面に勝る接触・接点作り」はないからだ。しかし、「訪問」は営業工数が高く、無駄な訪問になることも多々ある。そこで、重要性・必要性が向上しているのが「インサイドセールス」である。

インサイドセールスとは、見込み顧客(リード)に対して、社内から(訪問せずに)商談や案件創出を行う営業担当者のことだ。主に電話・メール・Web会議・テレビ会議などを活用し、訪問せずに見込み顧客(リード)に対して接点を作り、案件化・商談化を行う。「訪問」する必要がないため営業工数を削減できるだけでなく、大量の見込み顧客(リード)に対してのフォロー率の向上や機会損失の削減といったメリットが得られる。

そのため、インサイドセールスを設置するBtoB企業も増加しており、マーケティング部門、インサイドセールス、営業部門が連携した営業活動が行われるケースも増えてきている。

施策5「案件化・商談化する」の手法

「案件化・商談化する」とは、育成した見込み顧客(リード)の中から、確度の高い見込み顧客(リード)を抽出・選定し、案件化・商談化していくことだ。案件化・商談化の施策では、主に2つの手法が重要となる。1つは、確度の高い見込み顧客(リード)の抽出・選出と、もう1つは、商談管理である。

リードクオリフィケーション

確度の高い見込み顧客(リード)の抽出・選出は、BtoBマーケティングでは、リードクオリフィケーションと言われている。リードクオリフィケーションは、さまざまな指標で判断される。例えば下記のような判断基準だ。

(1)顧客の会社規模(売上や従業員数、資本金など)
(2)担当者の役職(意思決定権者かどうか)
(3)業種
(4)購入の時期
(5)予算取りの状況

さらに、最近ではデジタルマーケティングのデータ(マーケティングオートメーションのデータ)も活用されることが多い。例えば、マーケティングオートメーションのスコアである。詳細については下記のコラムにまとめているので合わせてご覧いただければと思う。

リードクオリフィケーションの方法とは?累積分析・直近分析による7つの判断基準

スコアリングとリードクオリフィケーションの方法とは?リード選別の7つの判断基準

2019年9月14日

このように、さまざまな判断基準を設定し、営業部門が効率よく受注できるように、できるだけ「確度の高い」見込み顧客(リード)を抽出することが、リードクオリフィケーションでは重要視される。営業部門との連携においても、このリードクオリフィケーションは重要である。

商談管理

商談管理とはその名の通り、商談化した案件の状態や見込み顧客(リード)の反応などを記録し管理する仕組みのことだ。商談管理システムやSFAといったツールが活用される。

リードクオリフィケーションで抽出された見込み顧客(リード)に対して、どのような営業活動を行なったのか?を記録し、後からトレースできるようにしておくのである。

商談の経緯を後からトレースできるようにすることで、どのようにすれば受注につながりやすいか?を科学的に分析することができるようになる。その結果、勘や経験といった不確定要素の強い営業からの脱却ができるようになる。

また、マーケティング部門の売上貢献度を策定する際にも、商談がトレースできれば策定しやすい。そうなれば、Web経由で獲得した見込み顧客(リード)は、受注率が高く、LTVも高いといった具合に数値で費用対効果を分析することもできるようになる。

施策6「受注」の手法

「受注」とは、案件・商談化した見込み顧客(リード)に対して見積りなどを行い、実際に受注を獲得することだ。受注の施策では「どうすれば受注となったか」のパターンを明確にすることが重要だ。そしてそのパターンを全社的に共有できれば最も効果的に受注獲得ができるようになる。こういったパターンは「勝ちパターン」や「ベストプラクティス」と呼ばれており、パターンが具体的で再現性があればあるほど、売れる可能性は高くなる。

このため、この施策では、過去の受注案件の商談をトレースし、どのようにして商談が進められたのか?そこにはどんな共通点があったのか?などを分析しなければならない。商談管理システムやSFA、MA、セミナー管理システムといったさまざまなツールの履歴を分析し、顧客毎に過去の行動年表を作る必要があり、非常に分析に工数を要することが多い。

施策7「顧客維持」の手法

「顧客維持」とは、新規顧客を維持して、優良顧客化していくことだ。LTVを高め利益や売上を最大化していく。顧客維持の施策では、LTVを高めるために、主に下記のような施策が打たれる。

(1)購入回数の増加
(2)購入点数の増加
(3)購入単価の増加

購入回数の増加

購入回数とは、ある期間における顧客との取引回数のことだ。半年に1回の購入だった顧客が、4ヶ月に1回となれば、売上は増える。消耗品などを販売しているようなケースでは顧客維持のために購入回数増加施策が打たれるケースが多い。

購入点数の増加

購入点数とは、1回の取引において顧客が購入する商品の数のことだ。1取引あたり10点の購入だった顧客が15点まで増加すると売上は増える。販売している商品点数の多い企業ではこの施策が打たれることが多い。

購入単価の増加

購入単価とは、1回の取引における顧客の購入金額のことだ。1取引あたり10万円の購入だった顧客が15万円まで増加すると売上は増える。販売している商品に、松竹梅のようなランクがある場合はこの施策が打たれる。つまり、より上位の商品(高額な商品)を提案することになる。

つまり、顧客維持は、この3つの手法を実施することで、顧客を維持できる。どこに焦点を当て、顧客維持の施策を打つのか、それは御社の商品戦略次第であろう。

3つのうちどれにするのかの方向性を定め、営業部門全体で既存顧客への提案の仕方や営業ツールを共有するといいだろう。

施策8「顧客満足度調査」の手法

「顧客満足度調査」とは、自社の製品やサービスの満足度(良い点や不満点)を調査し、自社製品が持つ課題を明確にすることだ。既存顧客の新しい課題や製品に対する不平不満を把握する。把握した内容は、「施策1:顧客ニーズを知る」に活かされる。

BtoBでは、Webを使ったアンケートフォームや、訪問によるヒヤリング調査といったツールや手法が活用され、顧客満足度調査が行われる。最終的には、自社の各事業において、顧客満足度を高めるKPIは何か?を具体化し、そのKPIを数値化して改善を繰り返すことで、顧客のLTVも高くなるだろう。

BtoBマーケティングの8つの施策と施策別の手法やツール

以上、BtoBマーケティングサイクルにあわせて、各施策別の手法やツールをご紹介した。ここでご紹介しているのは代表的な手法やツールばかりなので、御社に合わせて工夫して手法やツールを選定していただけたらと思う。最後に施策・手法・ツールを表にまとめておく。

BtoBマーケティングの施策と20の手法・ツール

当然、商材特性、顧客特性によって手法やツールは異なるので、あくまで参考というレベルでご参照いただければと思う。


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