3種類のメルマガを活用したBtoBマーケティングのリードナーチャリング方法

リードナーチャリングの効果を最大化する3つのメルマガ
Last Updated on 2024年4月1日 by 荻野永策

BtoBマーケティングにおいて、見込み客を育成するリードナーチャリングは、非常に重要な営業活動の1つである。そんなリードナーチャリングを実現する1つの方法に、メルマガがある。

新製品案内やセミナー、キャンペーン情報など様々な情報を見込み客にメルマガで配信し、リードナーチャリングを行っている企業は多いだろう。しかしながら、下記のような課題が発生するケースが多くある。

  1. 展示会などで名刺交換した見込み客にメルマガを出したいがどんなメールがよいかわからない
  2. 効果的なメルマガの作り方がわからず、いつもセミナーや商品案内ばかりになる
  3. メルマガによるリードナーチャリングのPDCAが回せない
  4. そもそも行き当たりばったりのメルマガで計画性がない
  5. 営業部の事情でメルマガの内容が決まってしまう

そこで、今回のコラムでは、BtoBマーケティングにおける効果的なメルマガの活用法についてご紹介する。3種類のメルマガを使い分け、効果的に見込み育成するリードナーチャリング手法についてご紹介しよう。

あなたのメルマガは、3種類のメルマガに区分して配信できているだろうか??

効果的なリードナーチャリングを実現する3種類のメルマガ

効果的なリードナーチャリングを実現する3種類のメルマガとは、下記のようなメルマガである。

(1)オンメール(案件創出や売り込みのためのメール)
(2)オフメール(見込み客との関係を深めるメール)
(3)リサーチメール(見込み客の課題やコンテンツニーズを把握するメール)

それでは各メルマガの主な内容と目的、そしてこの3つのメルマガが必要な理由についてご紹介しよう。

(1)オンメール(案件創出や売り込みのためのメール)

1つ目のメルマガは「オンメール」である。目的は案件創出や売り込みであり、おそらくメルマガを開始する場合はまず間違いなく配信しているであろうコンテンツである。

BtoBの場合、その主なコンテンツは、導入事例紹介、新製品案内、セミナー・勉強会案内、展示会出展案内、キャンペーン案内である。これらのメールを送付することにより、製品への興味付け・購入動機付けを実現し、案件創出(見積もり依頼など)や購入のきっかけ作りを狙う。

(2)オフメール(見込み客との関係を深めるメール)

2つ目のメルマガは「オフメール」である。目的は見込み客との関係を深めることである。「見込み客との関係を深める」というのは、具体的に言えば、「頼ってもらえる存在になること」である。

そのため、自社製品を売り込むようなコンテンツを配信してはいけない。主なコンテンツは、見込み客にとって「有益」な情報である。

ここでいう有益な情報とは、見込み客が「なるほど、勉強になるな」と思えるような情報のことである。見込み客も「仕事をしている人」であるため、自分の仕事がより楽になる方法、効率が上がる方法、効果が高まる方法など、「役立つ情報」というのは多数存在するはずだ。そのような情報を見込み客に提供し、見込み客に対して「役に立つ」ことを行うのである。役に立つことを定期的に行うことで、「頼れる存在」としてあなたの価値が高まっていくのである。

注意点として、「役立つ情報」は、(1)比較的すぐにできる内容、(2)何かの業務の改善につながる情報、もしくは、何かの課題を解決出来る情報、(3)費用がかからないことの3つを満たすことである。この3つを満たすことで、「なるほど、これはいい情報だ。しかも無料だし。ありがとう」につながるのである。これにより、「信頼関係」が深まる。

(3)リサーチメール(見込み客の課題やコンテンツニーズを把握するメール)

3つ目のメルマガは「リサーチメール」である。目的は、見込み客の課題やコンテンツニーズを把握することである。メルマガでは、オンメールやオフメールよりも、実はこのリサーチメールが最も重要である。なぜなら、見込み客の課題やニーズを知らなければ、どんな情報を配信すれば良いかが判断できないからである。

見込み客の課題を知ることで、オンメールの際に効果的な商品提案やソリューション提案ができるコンテンツが作成できる。さらに、見込み客のコンテンツニーズを知ることで、より有益なコンテンツ(見込み客にとって役立つ情報)を見込み客に配信できるようになる。

逆の言い方をすれば、見込み客の課題やコンテンツニーズをつかまずに、オンメールやオフメールの効果を高めることは難しいのである。

なぜ3種類のメルマガを配信するとよいのか?

3種類のメルマガの概要はご理解いただけたかと思うが、それでは、「なぜこの3種類なのか」の理由をご紹介しよう。その理由は3つある。

理由1「小さなお役立ち」が信頼関係を深める

理由の1つ目は、「小さなお役だち」が信頼関係を深めていくからだ。オフメールは、見込み客にとって役立つ情報を提供し続ける。それは小さなことであり、小さなお役立ちかもしれない。しかし、それが継続することで、「いつも何かしら良い情報を提供してくれる会社(もしくは人)」と、見込み客に認識される。まさに「蓄積は力なり」である。

心理学的に言えば、単純接触効果がうまれるわけだ。

単純接触効果とは・・

初めのうちは興味がなかったり、苦手だったりしたものも、何度も見たり、聞いたりすると、次第によい感情が起こるようになってくる、という効果。たとえば、よく会う人や、何度も聞いている音楽は、好きになっていく。これは、見たり聞いたりすることで作られる潜在記憶が、印象評価に誤って帰属されるという、知覚的流暢性誤帰属説で説明されている。また、潜在学習や概念形成といったはたらきもかかわっているとされる。

これにより、信頼関係が深まり、いざという時に頼ってもらいやすくなる。

逆に言えば、オフメールがなく、オンメールばかりだと、いつも「売り込み」である。メールが届くたびに、「新商品です」「セミナーやります」「展示会に出ます」などでは、常に売り込みである。今買うタイミングでない見込み客からすれば、「うっとおしい」だけである。

理由2「関係作りのサイクル」が回りだす

理由の2つ目は、「関係作りのサイクル」が回りだすからだ。

理由の1つ目とも大きく関連するが、小さなお役立ちを実現するには、見込み客がどんなことを知りたいかをできるだけ詳しく、幅広く把握する必要がある。そうしなければ、どんな情報が役にたつのか、判断できない。そこで、リサーチメールを活用するのである。活用のイメージは下記のようなサイクルをイメージすると良い。

(1)オフメールで役立つ情報を提供
(2)リサーチメールでさらに役立つ情報を提供するためのネタを把握
(3)把握したネタをつかってオフメールを作成
(4)1へ戻る

このような活動を、様々な見込み客に対して行い、幅広く、そして深く「見込み客の知りたいこと」を把握していくのである。そうすると、ネタの引き出しもふえるだけでなく、見込み客にとって有益なコンテンツの設計と制作ができるようになる。

このようなサイクルをオフメール、リサーチメールを活用すれば実現できるのである。

理由3「関係を築いた上での売り込み」

理由の3つ目は、「関係を築いた上での売り込み」が実現するからだ。理由2のサイクルにより、より有益な情報を見込み客に提供でき、関係構築を少しでも深くできる。その上で、オンメールを送付すると、「いつも有益な情報をくれるあの会社からの案内」として受け取られるため、「売れる可能性」が高くなるのだ。信頼関係が作れているため、見積もり依頼、購入相談などを獲得しやすくなるのである。

効果的なリードナーチャリングを実現する3つのメルマガのまとめ

効果的なリードナーチャリングを実現するための3つのメルマガについてご紹介した。

(1)オンメール(案件創出や売り込みのためのメール)
(2)オフメール(見込み客との関係を深めるメール)
(3)リサーチメール(見込み客の課題やコンテンツニーズを把握するメール)

あなたもメルマガに関わっているなら、今までのメルマガの内容を見直し、上記3つがあるかどうか、確認してみよう。その上で今後どう配信するか熟考してみよう。そうすれば、あなたのメルマガを活用したリードナーチャリングの効果がより高くなるだろう。

(平成28年7月29日 BtoB特化のインバウンドマーケティング「THREE-VIEW」


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