【BtoBメルマガ】リードナーチャリングでリードに刺さる5つのコンテンツ設計の仕方

リードに刺さるメルマガコンテンツの設計の仕方
Last Updated on 2023年5月25日 by 荻野永策

BtoBのリードナーチャリングでは、ホットリードを育成するためにメルマガがよく活用される。その理由は、低コストでタイムリーな情報を手軽にすぐに配信できるといったメリットがあるからだ。

しかし、その反面、BtoBマーケティングの担当者から、下記のようなご相談をよくいただく。

(1)どんなメルマガを配信すれば良いかわからない
(2)メルマガを配信しているがセミナー、イベント、新商品案内ばかり
(3)開封率・WEB誘導率が悪くて困っている
(4)メルマガのネタが継続できるか心配
(5)リードにとって役立つコンテンツを配信したいが、役立つコンテンツがわからない

IT業界などであれば、定期的にバージョンアップやセミナー、イベントがあるため、メルマガのネタという意味では困ることは少ないが、そのかわり、いつも「売り込み」のメールになってしまい、開封率が下がる・メルマガ停止の解約率が上がるといった悪影響が出る。

製造業などの場合だと、業界によっては、セミナーやイベント、新製品案内が少なく、何を送って良いのかわからないといった事態に陥り、ネタが続かない。

このように、メルマガで「何を送れば良いか?」というのは、業種・業界によってその要因や課題も大きく異なるのである。

そこで、今回のコラムでは、BtoBマーケティングのメルマガやリードナーチャリング担当者向けに、「BtoBメルマガのコンテンツ設計の仕方」についてご紹介する。弊社はいくつかのコンテンツ設計のアプローチ方法を保有しているが、その中でも簡単にできる方法を5つピックアップしてご紹介しよう。

この記事の目次

BtoBメルマガのコンテンツ設計方法1「サジェスト分析でヒントを得る」

サジェスト分析でメルマガコンテンツを設計する手順

1つ目の方法は、このブログでも何度かご紹介している「サジェスト分析」である。サジェスト分析とは、Googleのサジェスト機能を活用した、検索ニーズを調査する方法論の1つである。無料かつ手軽にできるので、まず迷った時はこれをやってみると良いだろう。

Googleのサジェスト機能とは、Googleが提供している検索補助機能の1つで、Googleの検索ボックスに「キーワード」を入力するとプルダウンメニューのようなイメージで、「検索の候補」がいくつか表示される。これがサジェスト機能である。

この検索の候補は、Googleが日本国内で実際に誰かが検索しているキーワードを表示している。そのため、このサジェストの中に、検索ニーズが含まれている可能性がある。

それでは、具体的な実例をあげながらサジェスト分析からメルマガのコンテンツを設計する方法をご紹介しよう。

例えば、ある弁護士事務所が、今後、企業法務のリードを育成したい場合を例に考えてみよう。企業法務であるため、契約書、コンプライアンス、事業承継など様々なテーマがあるが、その中から「契約書」に関してサジェスト分析を行ってみよう。

Googleの検索ボックスに「契約書」と入力すると、本記事執筆時点では、下記のように表示される。これが契約書のサジェストである。

Googleの検索ボックスに契約書と入力した場合のサジェスト

この結果、「契約書の印紙についてのコンテンツ」や「テンプレートに関するコンテンツ」などに検索ニーズがあるということがまずわかる。このように分析することで、サジェストワードの中に眠るニーズを見つけ出すことができる。

当然、サジェストは上記のように数個というわけではない。キーワードによっては、数百以上あることもある。

そこで、下記のGoodKeyWordを使い全サジェストを調査しよう。GoodKeyWordは、Googleサジェストを全て表示してくれるとても便利な無料のサービスである。実際にGoodKeyWordで「契約書」を調査すると下記のような結果になった。

契約書のサジェスト一覧

このサジェスト一覧を見ていると、例えば下記のようなものがあることがわかる。

<サジェストの例>
印紙、製本、割印、訂正、送付状、印紙負担、甲乙、作り方・・・

このことから、検索ニーズとしては、契約書の作り方について、細かく調べている可能性があることがわかる。よって、リードはWEBを使って、契約書の作り方を検索している可能性があるのではないか?と判断できるのである。

このサジェスト分析は、実際に自社で保有するリードの検索ニーズではなく、WEB市場の一般的な検索ニーズとなるため、ニーズとしては曖昧な部分はある。しかし、コンテンツの方向性を見出すヒントが得られるのである。

このサジェスト分析の結果から、下記のようなイメージで、メルマガのネタを設計し、コンテンツ化していくと良い。

契約書のサジェスト分析からのコンテンツ設計

上記は、契約書のサジェストからどのようなコンテンツにニーズがあるのかを分析し、実際のコンテンツタイトル案と記事の目次案に落とし込んだものである。これを私はコンテンツ設計表とよび、メルマガの設計やブログ記事の設計などで活用している。

サジェスト分析でBtoBメルマガのコンテンツを設計するメリット

サジェスト分析でBtoBメルマガのコンテンツ設計をするメリットは4つある。

(1)誰でもいつでも無料でできること
(2)いろんな切り口で設計のヒントが得られること
(3)ネタの継続性が得やすいこと
(4)検索ニーズをベースにしていること

ご紹介した通り、様々なキーワードで分析できる上に、無料であるため、いつでも実行できる。さらに、キーワードが増えれば、ネタの継続性も維持でき、ネタの幅も広がる。

加えて、検索ニーズをベースにしているので、リードが欲しがる情報の可能性もある程度は含んでいる。

サジェスト分析でBtoBメルマガのコンテンツを設計するデメリット

サジェスト分析でBtoBメルマガのコンテンツ設計にはデメリットもある。

(1)あなたのリードのニーズを分析できるわけではない
(2)製品によってはネタの方向性が定まりにくくなる
(3)コンテンツライティングするために幅広い知識が問われることがある

サジェストは様々なキーワードで実行できるが故に、様々な知識やスキルが求められることがある。さらに、曖昧なキーワードで調査すると、コンテンツの方向性がぶれることもある。そのため、サジェストだけではやはり確実性は落ちるのである。

そこで、次の設計方法であるアンケート調査なども絡めるとより確実性が増す。

BtoBメルマガのコンテンツ設計方法2「アンケート調査を継続しヒントを得る」

2つ目の方法は、リードへのアンケート調査である。この方法では、あなたのリードに「どんなコンテンツに興味があるのか?」をアンケート調査し、リードに刺さるコンテンツを設計する。あなた自身が、あなたのリードに対してアンケート調査をするので、いつでも好きなタイミングで実施できる。

アンケート分析でメルマガコンテンツを設計する手順

アンケートの設計はやればやるほど奥が深いため、最も分かりやすい方法を1つご紹介しよう。その手順は下記の通りだ。

(1)方法1で紹介した「サジェスト分析」でリードに刺さるコンテンツの仮説を立てて実際にメルマガで送付
(2)数本送付したのちアンケートを実施

単純にこれだけである。実際にやってみるとわかるが、サジェスト分析でそれなりのコンテンツを送付すると、アンケートでもそれなりの反応があり、良い調査が行える。当然、ある程度のリードの母数も必要であるが、数が少なくても良いので(極論、アンケートの回答はゼロでも良い。要するにこういったことを継続して実施することに意味がある)、まずは実施し、そして継続しよう。

なお、アンケートの設計の仕方やその手順は下記の無料PDF資料でご紹介しているので、是非参考にしていただければ幸いだ。

無料PDF資料
ニーズ調査のやり方と調査すべき3つのニーズとは?〜マーケティングと営業がうまくいかないときにやるべきニーズ調査〜

アンケート調査でBtoBメルマガのコンテンツを設計するメリット

アンケート調査によるコンテンツ設計のメリットは4つある。

1つ目は、他の4つの方法とは違い、直接自分のリードに確認するため、より信ぴょう性の高い情報が得られ、どんなコンテンツが刺さるのか?の設計も行いやすい。より深い情報が得られ、コンテンツアイディアを出すときに刺激になるだろう。

2つ目は、いつでもできることだ。自社のリードに対して、自社のアンケートを実施するため、実施のタイミングは自社で自由に決めることができる。毎月やってもよいし、年数回でもよい。

3つ目は、継続できることだ。いつでも好きなタイミングでできるので、継続的に実施できる。リードに刺さるコンテンツは、時間とともに変化する可能性もあり、継続的に実施できることで、ニーズの変化に合わせた設計ができるようになる。

4つ目は、蓄積できることだ。継続的にやればやるほど、データは蓄積できる。これが将来的に大きな資産となるだろう。その結果、幅広い視点から様々なコンテンツを設計できるようになる。

アンケート調査でBtoBメルマガのコンテンツを設計するデメリット

逆にデメリットとしては、2つある。

1つ目は、「答えてくれない可能性がある」ことだ。リードの母数が少なければ、答えてくれる可能性も少なく、なかなかデータが蓄積できない。時間ばかり経過し、工数が無駄になるというようなことも多々ある。

2つ目は、アンケート回答数が少ない状況では、コンテンツ設計に役立つ情報が手に入らない。このような場合、アンケートを実施しても、リードに刺さるコンテンツ設計ができず、成果が得られないこともある。

BtoBメルマガのコンテンツ設計方法3「サーチコンソールからヒントを得る」

3つ目の方法は、Googleのサーチコンソールを活用する方法だ。サーチコンソールの詳細な説明は、割愛するが、概要を言えば、WEBサイト管理者のためのツールで、Googleが自社サイトをどのように認識しているのか?というような情報を無料で提供してくれる。

このサーチコンソールには、検索アナリティクスという機能がある。検索アナリティクスは、自社サイトに対して、どんなキーワードが検索順位の何位で表示され、どのくらい集客できているのか?を一覧表示してくれる。

自社のサイトに訪問しているユーザーは「どんなキーワードで検索し訪問しているのか?」を取得できるため、ここからリードに刺さるコンテンツを設計できるのである。

サーチコンソールでメルマガコンテンツを設計する手順

手順は簡単である。まずは、サーチコンソールの検索アナリティクスから、キーワードを確認しキーワードリストを取得する。CSVでダウンロードできるので、全てのキーワードをダウンロードしよう。

ダウンロードしたら、そのキーワードから、方法1のサジェスト分析と同様にコンテンツを設計する。方法1のサジェスト分析は「WEB検索市場全体」を見ているのに対し、こちらは、自社サイトへの訪問ユーザのみを見ているので、違った視点でコンテンツが設計できる。

サジェスト分析では見逃していたようなコンテンツに気がつくことも多い。

サーチコンソールでBtoBメルマガのコンテンツを設計するメリット

サーチコンソールを使ったコンテンツ設計のメリットは、自社サイトに訪問している訪問ユーザ(リードも含まれる)が、自社サイトで何を知りたがっているのかを分析できることだ。数が多いと大変ではあるが、「こんなキーワードで検索して訪問している訪問ユーザもいるのか!?」と新たな気づきを得ることが多い。

サーチコンソールでBtoBメルマガのコンテンツを設計するデメリット

デメリットとしては、自社サイトの内部SEO対策のキーワードに結果が左右される点だ。サーチコンソールの検索アナリティクスでは、自社サイトがどんなキーワードでヒットしているのか?を確認できる。しかし、これは裏を返せば、自社サイトに埋め込まれているキーワードがベースになっているということだ。

そのため、自社サイトに埋め込んでいるキーワード以外の視点で、コンテンツ設計をすることができないのである。そのため、方法1のサジェスト分析と併用して活用するとより確度の高い分析ができるだろう。

BtoBメルマガのコンテンツ設計方法4「ソーシャルメディアで話題のコンテンツからヒントを得る」

4つ目の方法は、ソーシャルメディアを活用したコンテンツ設計である。ソーシャルメディアで話題となっている(拡散している)コンテンツを分析し、リードに刺さるコンテンツを設計する。

ソーシャルメディアでメルマガコンテンツを設計する手順

設計方法はこちらも簡単である。FaceBookやTwitterを使うのもよいが、著者ははてなブックマークをよく活用している。はてなブックマークは検索機能が充実しているので、コンテンツを探しやすいためだ。

手順としては、まずは、はてなブックマークにアクセスする。そして、検索ボックスに自社製品や自社サービスに関連するキーワードを入力し、検索する。例えば、弊社のお客様にパッケージ用紙を製造している企業があるが、その企業に関連するキーワードとして「パッケージデザイン」で検索してみよう。すると下記のような画面になる(本記事執筆時点:2017年7月13日)。

パッケージデザインで検索した画面

このようなイメージで、たくさんのパッケージデザインに関するコンテンツが表示されるが、ポイントは、赤枠で囲んだ「11Users」と記載されている部分だ。

これは、はてなブックマークのユーザーがそのコンテンツに対してブックマークした人数を意味する。そのため、多ければ多いほど、興味・関心の高いコンテンツと言える。

このようにブックマーク数が相対的に多い記事は、はてなブックマークというソーシャルメディアで拡散しているため、リードが関心を持つ可能性が高いと判断できる。そこから、コンテンツを設計するヒントを得るというわけだ。

ソーシャルメディアでBtoBメルマガのコンテンツを設計するメリット

ソーシャルメディアでコンテンツ設計をするメリットは2つある。

1つ目は、継続性があることだ。定期的に検索してみると毎回違う結果になるので、毎回違った設計ができる。

2つ目は、タイムリーであることだ。今、話題になっているコンテンツを確認できるため、ホットなコンテンツと言える。そこをベースに設計するため、リードにとって、キャッチーなコンテンツ(話題性のあるコンテンツ)となる。

ソーシャルメディアでBtoBメルマガのコンテンツを設計するデメリット

逆に、ソーシャルメディアでコンテンツ設計をするデメリットは3つある。

1つ目は、はてなブックマークのユーザーは御社のリードリストとは関係がないことだ。これは方法1で紹介したサジェスト分析と同様である。

2つ目は、キーワードによっては話題になっているコンテンツがないことも多々あることだ。特にBtoBはマニアックなキーワードが多いため、なかなか話題になりにくい。そのため、様々なキーワードで検索し、調査してみよう。

3つ目は、キーワード選びに失敗すると意味がないことだ。これはSEO対策のキーワード選定と同じ理由である。全く関係のないキーワードで話題性を調べても、意味はない。

BtoBメルマガのコンテンツ設計方法5「オープンデータからヒントを得る」

5つ目の方法は、オープンデータからヒントを得る方法だ。オープンデータとは、ある特定の商材やサービスに対して、第三者が市場のニーズなどを調査し、WEB上で公開しているデータのことだ。

例えば、弊社のお客様には、「販促品」を製造し販売している企業があるが、販促品業界のオープンデータとして、下記のようなものが2017年7月現在、公開されている。

【ノベルティ仕入れに関するアンケート調査】
ノベルティの購買担当者は、競合他社の実績を気にしない傾向!?

こういったデータからコンテンツを設計するのである。

オープンデータでメルマガコンテンツを設計する手順

オープンデータを活用したコンテンツ設計は、データを探すことから始まる。まず、Googleなどを活用し、オープンデータを検索して探してみよう。例えば、「**** 調査」「**** アンケート調査」のように検索すると良い。

上記の販促品のオープンデータの場合は、「販促品 仕入れ調査」で検索し、見つけたデータである。いろんなキーワードで検索し、探してみると良いだろう。

データが見つかれば、様々なデータを参照しながら、コンテンツ設計を行う。例えば、上記の販促品であれば、何を重視したのか?という質問に対して、様々な回答があるので、そこからコンテンツを設計していくのだ。

こういったデータはたくさんあればあるほど、いろんな視点・切り口で設計ができるので、探してみるとよいだろう。

オープンデータでBtoBメルマガのコンテンツを設計するメリット

オープンデータでコンテンツ設計するメリットは、市場全体の流れ、方向性をつかめることだ。市場全体の流れが、ある程度のサンプル数で把握できるので、ニーズを俯瞰することができる。これらの市場の動向なども交えながら設計することも可能だ。

オープンデータでBtoBメルマガのコンテンツを設計するデメリット

オープンデータでコンテンツ設計するデメリットは2つある。

1つ目は、見つけるのが大変なことだ。BtoBの場合、なかなかデータがないことが多い。あったとしても有料でコストがかかることもある。

2つ目は、深いデータが取れないことだ。あくまで方向性を見出すヒントにはなるが、具体的にどんなコンテンツにしようか?と考えた時、行き詰ることがある。そのため、方法2のアンケート調査と合わせて検討していくと、広くて深いデータの中からコンテンツ設計ができるようになる。

BtoBメルマガのコンテンツ設計方法まとめ

以上、BtoBのメルマガコンテンツを設計する方法、リードに刺さるコンテンツを設計する方法を5つご紹介した。

(1)サジェスト分析
(2)アンケート調査
(3)サーチコンソール
(4)ソーシャルメディア(はてなブックマーク)
(5)オープンデータ

あなたもメルマガのネタ作り、リードに刺さるコンテンツ設計で悩んでいるなら、一度やって見てはいかがだろうか?思いもよらないコンテンツが設計できることもある。


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