2017年9月23日

デジタルマーケティングの社内啓蒙の進め方「7つの手順」!KPIを設定し経営層にその重要性を伝える方法

成果を出しながら社内啓蒙する7つの手順
LINEで送る
Pocket

BtoB企業では、デジタルマーケティングの重要性が年々増加してきている。その最大の理由は、新規取引先を検討する際、「最も参考にする情報源」として、「企業のWEBサイト」があるからだ(下記参考サイト参照)。

参考サイト
http://brand.tribeck.jp/research_service/websitevalue/bb/bb2017/

しかし、こういった状況の中でも、デジタルマーケティングを推進するには、様々な社内の課題が存在する。その1つが、「デジタルマーケティングの重要性を会社(経営層や関係部門)が認識していない、社内の協力が得られない」という課題だ。

デジタルマーケティングの重要性を会社が認識していない(もしくは軽視している)場合、いくらマーケティング部門やWEB担当者がデジタルマーケティングの推進をしようとしても、コンテンツ制作などがネックとなり、なかなか進められない。

そこで、今回のコラムでは、デジタルマーケティングの重要性を社内に浸透させていくための「社内啓蒙活動」に関して、事例も交えながらご紹介したいと思う。

デジタルマーケティングの社内啓蒙・社内説得の課題

弊社が、2016年の1年間で、弊社お客様に確認したところ、デジタルマーケティングの重要性を社内に広げる社内啓蒙において、下記のような課題があるようである(弊社の調査結果から一部抜粋)。

  1. 営業が昔ながらの営業でデジタルマーケティングに興味がない(よくわからないから関わり合いたくない、WEBやメルマガは効果がないと思い込んでいる、もしくは、マニアック・ニッチな製品であるため、WEBは使えないと思っている)
  2. WEBやメールコンテンツ作りがネックで継続性を問われる、どんなコンテンツを作れば良いかわからないからできないと言われる、ライティングスキルがないのでできないと言われる
  3. 関連部門(営業部や技術部など)から上がってくるコンテンツがプロダクトアウトのコンテンツで、リードの興味を引くコンテンツでない
  4. 社内を説得できる材料(=成果)がない
  5. 過去に失敗した経験があり、抵抗勢力がある
  6. 関係者のマーケティングスキルが低く、社内説明・説得の理論武装ができない
  7. そもそも、重要性を経営陣など、上長が理解していない

営業部など関連部門から見た場合、今までのやり方が、よくわからないWEBやメルマガといったデジタルに変わるとなると、一抹の不満・不安を抱えるのも当然のことだと言える。つまり、「営業効率をなんとか改善したいデジタルマーケター」VS「今までの営業を維持したい営業部(関連部門)」の戦いとも言えるのではないだろうか。

デジタルマーケティングの社内啓蒙の理想的な進め方

このような課題がある中で、デジタルマーケターはどのように社内啓蒙を進めるべきだろうか?その進め方として、理想的なのは下記のような進め方である。

  1. デジタルマーケティングで経営層が認めるKPIを設定しなんらかの成果を出す
  2. 関連部門や経営層(上長)にKPI向上を報告し重要性を主張
  3. さらにKPIを強化するための課題をリストアップし関連部門や経営層(上長)に相談
  4. 関連部門や経営層(上長)の判断を仰ぎながら課題解決の社内体制を作る

要するに、なんらかの成果を出し、その成果を「説得材料・説得の根拠」として、重要性を主張した上で、さらに成果を高めるには「こういう課題がある」と社内に広げていくのである。そして、この課題は、デジタルマーケターだけでは解決できないから、社内協力が必須と主張していくのである。

あくまで理想論であるが、このように「数字的な根拠(しかもKPIとして経営層が判断しやすいもの)」「より成果を高めるための課題」「社内に広げて行くことが重要だ」といえる。

デジタルマーケティングの社内啓蒙を実現したA社の進め方例

では、実際に、この理想的な進め方をベースに、社内啓蒙を実施しているA社の手順(弊社の事例)をご紹介しよう。ただし、機密保持の関係もあるため、多少、内容を修正しているが、事実に基づいた内容である。

A社の事業概要とデジタルマーケティングの課題

A社はITソリューション関連の企業で、社員数は800名以上の会社である。社内にマーケティング部門があり、数名で自社のWEBサイトを管理している。

課題は、下記の2点である。

  • 技術部(SE)・営業部からのコンテンツ提供が乏しく、WEBサイトの活用が最大化されておらず、さらに、昔ながらの営業スタイルで、展示会が中心であること
  • もっとデジタルマーケティングを活用すれば、リード獲得できるはずが、社内に重要性が認知されていないため、うまく進められないこと

デジタルマーケティングの重要性を社内に広める進め方(A社の場合)

このA社は、下記の7つの手順で、デジタルマーケティングの重要性を社内に浸透させ、関連部門の協力を得ることに成功している。

  1. WEBでリードをとりたい注力商材を2つ選定し、KPIをCV件数・CVRと設定。経営陣や上長に事前に目標を発表し承認を得る。
  2. 注力商材の製品サイトの集客力が弱いため可能な予算の範囲で集客力を強化(主にリスティングを活用)
  3. CVRが悪いためCVRを改善し、リード獲得件数を増加。技術・営業部門から「最近WEB経由の案件が多いけど、何かしているの?」と質問が来るようになる。実際にCVRは3から4倍に増加しCV件数も過去最高を達成
  4. 商談化できた案件、契約になった案件を整理し、WEB経由のROIを算出(ただし商談過程をトレースできた案件のみ)
  5. 「4」の成果をさらに強化するための課題を整理し上長に相談。同時にWEB活用の経緯や成果をまとめて技術部門・営業部門などの関連部門と情報を共有。デジタルマーケティングの重要性を成果を材料にアピール。
  6. 「5」で共有したことにより技術部門や営業部門の有識者(少人数)も参加したデジタルマーケティング活動を展開。さらにCVRが改善される。
  7. 「6」の結果を受けて技術部門や営業部門全体への社内研修を実施。部門全体にデジタルマーケティングの有用性が認識され、コンテンツ作りが加速。部門をまたいだデジタルマーケティングの活動が実行できるようになる。

まず、最初に行ったのは、注力商材の選定である。A社の場合は2製品を選定した。そして、KPIを2つ設定した。1つはCV件数で、これは社内展開用のKPIである。もう1つはCVRで、これは、マーケティングチーム内で活用するKPIだ。

次に、選定した2つの製品のWEBサイトの集客力が弱かったため、検索ニーズを調査しながら、リスティング広告を予算内で実施し、集客力を強化した。リスティングを選定した理由は、短期間で成果を出したかったのと、もう1つは、どのようなキーワードで集客すれば効果が出るのか?具体的な検索ニーズは何なのか?の分析用のデータを収集するためだ。

3番目の手順では、2製品のCV件数の向上の施策を行った。CVRの改善のために、製品サイトを一部修正した。詳細な内容は機密保持と弊社のノウハウ漏洩になるため記載できないが、ここまでで6ヶ月かかったが、結果、CVRは平均3倍から4倍に、CV件数も過去最高を記録できた。施策実施前は月3件程度だったリード獲得が、実施後、30件以上に跳ね上がったケースも発生した。

4番目の手順では、結果が出ているので、CV獲得後の売上貢献度を分析した。これも追える範囲での分析しかできなかったため、正確な数字を出すのは難しかったが、ある程度このくらいでは?というROIが算出できた。

そして、5番目の手順でさらにROIを高めるための課題をリストアップした。A社の場合、リスティングによる集客であるため、これを自然検索(SEO)による集客に切り替えて行く必要がある。そこで、サイト内のコンテンツの充実が課題の1つとなった。さらに、獲得したCVからの契約率を高めることも課題となった。

この課題定義と、過去6ヶ月間の活動内容、そして成果を整理し、営業部、技術部の部長に説明し状況を報告。そこで、各部門の協力がないと、これ以上の成果が出せないと相談し、判断を仰いだ。

その後、各部門の有識者(数名)がデジタルマーケティングの打ち合わせやコンテンツ作りに参画していただけるようになり、最小限の体制が整うこととなった。この結果、さらにCV件数、CVRも向上し、安定するようになった。

そして、最終的には、成果が認められ、技術部門、営業部門を中心にデジタルマーケティングの研修や成果報告会を実施し、さらに多くの関係者に広めることに成功した。これにより、営業・技術部門がデジタルマーケティングの有用性を認識し、コンテンツ作りやWEB活用が活発に行われるようになった。

このように、A社の場合は、成果を出しながら社内に広めて行くという活動を行ったのである。

その結果、社内のデジタルマーケティングの重要性が高まり、コンテンツの準備、リードのニーズに関するフィードバックが関係部門から得られるようになった。加えて、WEBやメルマガといった各種コンテンツ作りも活発になり、様々なコンテンツを活用して、デジタルマーケティングを進めることに成功している。

デジタルマーケティングの社内啓蒙のポイント

デジタルマーケティングの重要性を広める社内啓蒙のポイントとしては、KPIを何に設定するか?が重要である。そして、設定したKPIの数値を高め、その後、その成果と次の課題を明確にし、社内に展開することが重要だ。

最初の何らかの小さな成功が「社内の意識を変えるトリガーになる」というイメージだ。例えば、最初のKPIをアクセス数にすると、「アクセスが増えても売上になってない」と言われると意味がない。「あと一歩で売上につなげられそう」というようなラインかつ、比較的短期間で実現できそうなKPIがもっともよい。だからこそ、社内展開用KPIとしては、まずCV件数を設定するのが良いと言える。

A社は実際にどうやってCV件数、CVRを向上させたのか?

では、最後に、A社がどうやってCV件数、CVRを向上させたのか、その戦略論をご紹介しよう。BtoBのWEB戦略では、概ね3つの作戦を実行することで、CV件数、CVRを向上させることが可能だ。それが下記の3つの作戦である。

(1)集客強化作戦
(2)フォームへの誘導作戦
(3)フォームでの問い合わせ獲得作戦

特に(3)が重要であるが、これはEFO(エントリーフォーム最適化)などではない。もっとマーケティングの本質部分から改善して行く必要がある。

このWEB戦略については、下記のPDF資料で詳細を説明しているので、ご興味ある方は是非ご覧いただければ幸いだ。

BtoBのWEB戦略の立て方(WEB戦略の年間計画シートのサンプル付き)

また、A社の事例について詳細を知りたい場合は、下記の個別勉強会・個別セミナーにお申し込み・お問い合わせいただければ、話せる範囲でお話しする。どのような改善を行い、どうなったのか?などお話しできる範囲でお話しさていただく。

毎月全国で行なっているセミナーで、日程は決まり次第、随時公開している。日程が決まっていない場合は、最新日程を公開していないので、ご都合の良い日程をご連絡頂ければ調整することも可能だ。

弊社が全国で行なっている個別セミナーの内容と最新日程

ご興味があればぜひお申し込みいただければと思う。

(平成29年9月23日 デジタルマーケティング「THREE-VIEW」

LINEで送る
Pocket

    • BtoBのWEB戦略の立て方