BtoBのコンテンツマーケティング事例「代理店の営業力を強化するコンテンツ活用法」

最終顧客のニーズをつかみ代理店・特約店の営業力を強化する
Last Updated on 2023年2月18日 by 荻野永策

BtoB企業において、自社の製品を販売する「代理店」や「特約店」は売上を支える非常に重要な存在である。例えば下記のような流通・商流の場合、企業Aの売上を高めるためには、代理店1、2の営業力・販売力が大きなポイントになる。

企業A→代理店1(企業)→代理店2(企業)→最終顧客(企業)

このような流通の場合、代理店の営業力が高ければ、当然企業Aの売上も安定する。しかし、逆に代理店の営業力が弱い、もしくは弱くなってくると、企業Aの売上は低迷する。つまり、代理店に任せているとだんだん売上が低迷することになるわけだ。

実際に、弊社には、代理店の売上が低迷し、営業戦略の見直しを行いたいと相談をいただくことが多々ある。例えば下記のような内容である。

代理店経由での売上が伸びず、代理店の先にある1次店、2次店と協力して、最終顧客のニーズを掘り起こそうと活動してきましたが、うまくいきませんでした。

この企業の場合は、代理店経由での売上が低迷しているため、最終顧客のニーズをつかみ、ニーズにあった提案ができるように営業戦略を立て直すということが狙いであった。しかし、代理店経由であることが裏目にでて、なかなか最終顧客のニーズがつかめず、失敗に終わったということだ。

また、別な相談としては下記のようなものもあった。

代理店が御用聞き営業となってしまい、最終顧客への提案力がなく、競合企業に案件を奪われるケースが多くなってきた。打開策を打つためにも、最終顧客のニーズをつかみたい

この相談の場合は、御用聞き化する代理店営業をなんとか改善したい、そのためには、最終顧客のニーズをつかみたいというような内容である。

そこで今回のコラムでは、代理店経由での売上が低迷しているBtoB企業を対象に、最終顧客のニーズをつかみ、新たな営業戦略の展開を実現する具体的な方法を事例を交えながらご紹介しよう。特に最終顧客のニーズを掴むという点に焦点をあて、詳しく方法論をご紹介したい。

ご紹介する方法論は、「コンテンツマーケティング」を活用した方法である。少人数体制で、かつ人員補強もなく、低コストで実現できる方法である。ぜひあなたの課題を解決するヒントになれば幸いである。

代理店経由での販売を行うBtoB企業が抱える悩み・課題

まずは、もう一度、代理店経由での販売を行っているBtoB企業の悩み・課題について整理しておこう。

代理店経由での販売を行うBtoB企業とは?

代理店経由での販売を行うBtoB企業とは、下記のような商流・流通を持つ企業のことで、おもに製造業やIT関連企業などが該当する。

企業A→代理店1(企業)→代理店2(企業)→最終顧客(企業)

なお、代理店の数は業種・業界・企業規模などによって異なる。また「代理店」は「取次店」「取扱店」「販売店」「特約店」「パートナー」など様々な言い方がある。ただ、このコラムでは総称して代理店と呼ぶことにする。

代理店経由での販売を行うBtoB企業の課題

上記のような商流・流通をもつBtoB企業の場合、下記のような2つの課題がある。

課題1「代理店の販売力・営業力の低迷」

コラムの冒頭でもご紹介したが最大の課題が代理店の販売力・営業力の低下・低迷である。これは売上そのものに直結するため、火急の課題である。失注するケースや商談が自然消滅するケースなどが目立ち、同行営業などを行っても、なかなか売れないということが多くなる。新規見込み開拓から見込み客の育成が滞り、価格競争が激化して売上がじわじわと下がっていく。

課題2「代理店の営業が御用聞き化する」

課題1の発生原因といってもよいのが、課題2である。営業が御用聞き化していると、商品提案、ソリューション提案ができず、結果、ニーズを掴むこともできなくなり、最終的には価格競争、納期競争に陥る。

この2つの課題を解決するには?

では、この2つの課題を解決するには、どうすればよいだろうか?

まず考えられることは、代理店に対してどのように営業すべきか?を展開・共有していくことが重要である。また値段や納期勝負に陥らないために、商品力のある製品開発も重要である。これらは代理店任せにするのではなく、代理店経由で製品を売る企業側の責任で実施すべきである。

そのためには、最終顧客のニーズを掴むことが重要だ。これが2つの課題を解決する重要なファクターとなる。

最終顧客のニーズが聞けないジレンマ

しかし、最終顧客のニーズを掴むといっても、そう簡単なことではない。なぜなら、今まで代理店経由でビジネスを展開してきたため、最終顧客との関係が薄く、ニーズの調査ができないのである。場合によっては自社製品がどこでどのように使われているのかさえわからないということだってある。

このような状況ではニーズを調べることなど不可能であり、代理店経由での販売をおこなってきたことそのものが大きなジレンマとなってしまう。

代理店経由での販売を行うBtoB企業が抱える悩み・課題のまとめ

以上の内容をまとめると下記のようになる。

(1)「企業A→代理店1(企業)→代理店2(企業)→最終顧客(企業)」のような流通を持つ企業Aの課題は、代理店の営業力の低下による売上の低迷。
(2)その課題を解決するには、最終顧客のニーズを掴み代理店にどう売ればよいか?を展開していくことが重要
(3)しかし、今まで代理店経由での販売だったため、最終顧客のニーズを掴む方法がない

ではこのような課題を解決するにはどうすれば良いだろうか?その具体的な方法と事例をご紹介しよう。

ご紹介する事例の概要

ご紹介する事例は、とある製造業A社の事例である。企業名は機密保持の関係上あかせないが、A社の流通は下記のような経路である。

A社→代理店1→代理店2→代理店3→最終顧客

ではこのA社がご紹介した課題をどのように解決したのか、ご説明しよう。

どうやって課題を解決したのか?

A社の課題を解決した方法こそが、コンテンツマーケティングといわれるマーケティング手法である。コンテンツマーケティングとは、最終顧客に有益なコンテンツを配信し、最終顧客との関係を深め、最終的に購買へとつなげていくマーケティング手法である。

このコンテンツマーケティングを活用して、A社は課題を解決した。その具体的な手順は下記の通りである。

手順1:最終顧客にとって有益なコンテンツを設計
手順2:ブログを開設し、設計したコンテンツを定期的に公開
手順3:A社の営業担当者が過去に名刺交換した最終顧客に対してメルマガを配信
手順4:ブログでのメルマガ会員募集とFB上でのファン獲得を実施
手順5:メルマガ・ブログのコンテンツ配信による関係づくり
手順6:メルマガでのアンケート調査を実施して最終顧客のニーズを把握

手順1:最終顧客にとって有益なコンテンツを設計

最初に行ったことは、最終顧客にとって有益なコンテンツを設計である。ペルソナを設計し、最終顧客にとって有益なコンテンツの仮説をいくつか立てるのである。

わかりやすく言えば、「最終顧客はこういう企業で、担当者はこういう人。その担当者は、普段こういう業務を行っていて、その業務の課題はこういう課題がある。そのため、こういうコンテンツや情報を欲しがるのではないか?」という具合に、コンテンツを設計していくのだ。

手順2:ブログを開設し、設計したコンテンツを定期的に公開

コンテンツの設計が終わったら、次はコンテンツを実際に作成し、ブログで公開した。A社の場合、製品紹介や展示会の出店案内を行っている自社ブログがあったため、そこに新しいカテゴリーを作り、制作したコンテンツを公開。当然、最終顧客に見てもらえるように、SEOキーワードの対策も行い、少しずつアクセス数を伸ばしていった。

手順3:A社の営業担当者が過去に名刺交換した最終顧客に対してメルマガを配信

ブログの公開と並行して、A社の営業担当者が過去に名刺交換した最終顧客に対して、メルマガの配信を開始した。メルマガの内容はブログの内容と同じである。メルマガの狙いは、最終顧客にとって有益なコンテンツをメルマガで提供することで、関係を深めていくことである。

手順4:ブログでのメルマガ会員募集とFB上でのファン獲得を実施

メルマガを開始したと同時に、ブログ上でメルマガ会員を募集。さらにFaceBookを活用して、最終顧客に関連する企業の担当者や関係者をファン化していった。メルマガは毎月数十件レベルで会員が増加し、ファンもFaceBook広告を活用して数千人まで増加した。

手順5:メルマガ・ブログのコンテンツ配信による関係づくり

メルマガの会員数、FaceBookのファンの増加を行いながらも、名刺交換した方との関係をコンテンツ配信による深めていった。毎月メルマガを送付すると、コンテンツに関する意見などがもらえるようになった。

手順6:メルマガでのアンケート調査を実施してニーズを把握

メルマガがある程度定着した段階で、メルマガ内にニーズ調査を行うアンケートフォームを設置。製品購入時の選定基準や意思決定権者は誰か?購入時はどの製品を比較検討しているか?など込みいった質問を実施。当初はレスポンスはなかったが、徐々に増え、現在は毎月必ずレスポンスがある状況になった。

これにより、毎月メルマガで最終顧客のニーズを把握できるようになった。

解決手順のポイントとさらなる詳細な内容

ざっとご紹介したが、以上がコンテンツを活用した最終顧客のニーズ調査を実現する方法である。ブログ、メルマガを活用しているため、少人数体制でかつ低コストで実現できる。しかし、時間がかかることになるが、A社のように軌道にのると安定したニーズ調査が可能となる。

さらに、この施策は、様々な付加効果を生み出す。1つは、確度は低いが、新規見込み獲得である。ブログでメルマガ会員募集を行っているため、メルマガへの登録があると新規見込み客を獲得につながるのだ。

2つ目は、自社製品の認知拡大である。FaceBook上でコンテンツを配信すると、ファンとのコミュニケーションやいいねによる情報の拡散が起きる。その結果、自社製品を業界の関係者に認知拡大できるようになる。

このように、付加効果も得ながら、コンテンツを活用して最終顧客のニーズを獲得しているが、成功したのは、3つのポイントがあるからだ。それは、下記の3つである。

ポイント1「信頼関係を高めておいて質問しやすくする」
ポイント2「軽い質問」と「深い質問」で答えやすくする
ポイント3「コンテンツの提供とニーズ調査の継続的な仕組み作り」

これらの詳細は下記のコラムでもご紹介しているが、コンテンツを活用してうまく信頼関係を構築できたからこそ解決できたと言える。

BtoBのマーケティングと営業戦略で重要なの顧客ニーズ調査の仕方「3つのポイント」

A社の最終顧客ニーズ調査の事例をPDFレポート化

A社の事例のさらなる詳細は下記の無料PDFにまとめているので、気になる方はぜひお申し込みいただければ幸いだ。このPDFレポートは下記のような内容である。

A社の概要(業種・製品の詳細)
A社の商流と課題について
A社からの要望について(製品の認知拡大と見込み育成、そして最終顧客のニーズ調査)
A社の課題を解決したメルマガ・ブログ活用の方法

このような内容をレポートにまとめたので、ご興味ある方は無料でプレゼントする。ただし、弊社と競合・近似するような企業の方へのプレゼントはお断りしているので、予めご了承いただきたい。


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