更新日:

2018年8月18日

マーケティングオートメーションとは?概要・メリット・デメリット・導入目的

マーケティングオートメーションの基礎・概要を徹底解説
LINEで送る
Pocket

BtoBマーケティングでも、ここ数年、マーケティングオートメーション(MA)の導入が盛んになり、弊社にも数多くの導入相談、運用相談をいただくことが多くなってきた。相談の中には、マーケティングオートメーションに関する基礎的なものも多く、マーケティングオートメーションへの期待と興味の強さがうかがえる。

そこで、今回のコラムでは、マーケティングオートメーションの導入を検討しているBtoBマーケティング担当者のために、マーケティングオートメーションの概要・基礎をご紹介する。

マーケティングオートメーションのマーケティングとは何か?オートメーションとは何か?、どんな特徴や機能があるのか、メリットやデメリットは何か?など詳しくご紹介する。

ちなみに、BtoBにおいて、マーケティングオートメーションの運用や導入の相談をいただく場合、主に下記のツールの名前がよく上がる(2018年8月時点、名前順)。

b→dash
Kairos3
ListFinder
MAJIN
Marketo
Pardot
SHANON MARKETING PLATFORM

導入後、うまく使いこなせないという声はよく聞くので、しっかりマーケティングオートメーションの概要を理解し、リードナーチャリングのシナリオ設計とPDCAサイクルの設計を行った上で、導入するツールの選定を行っていただければと思う。

マーケティングオートメーションとは?

マーケティングオートメーションとは、BtoBにおいて、リードナーチャリング(見込み客の育成)と、リードクォリフィケーション(有望なリードの選別・抽出)の業務を効率化することを主軸においたITツールのことだ。製品によっては、リードジェネレーション(新規見込み客の獲得)までをカバーする製品もあるが、メインはリードナーチャリングとリードクォリフィケーションと考えてよい。

そのため、BtoBマーケティング担当者のリードナーチャリングとリードクォリフィケーションの業務の効率を高めることができる。

マーケティングオートメーションの「マーケティング」とは?

マーケティングオートメーションという「名前」だけを見ると、「マーケティングを自動化してくれるのか?」と勘違いしてしまう可能性があるが、実態は、デジタルマーケティングの業務の一部を自動化するという意味合いである。

マーケティングというと、市場調査から始まり商品戦略、差別化戦略、営業戦略、流通戦略、価格戦略を考案し、市場投入を行い、最後に顧客満足度調査を行い、次の商品戦略に生かすといったマーケティングサイクルが必要になる。つまり、「売れる商品を作り、売れる値段と売れる場所で売れる売り方で売る」という活動全般がマーケティングである。

しかし、マーケティングオートメーションは上記のマーケティング活動をすべてカバーしているわけではない。あくまでデジタル上(主にWEBやメール)で行うマーケティング活動の「一部」のことだ。

このため、マーケティングオートメーションという名前は、多少言い過ぎである(ただ、マーケティングオートメーションを活用することで、リードのニーズ調査なども実施できるため、そこから商品戦略や差別化戦略などを人間が考案することは可能である)。

マーケティングオートメーションの「オートメーション」とは?

次に「オートメーション」というと、「マーケティングオートメーションにリードが登録されると、しばらくしたら勝手にホットリードに育つの?自動的に育つの?」と勘違いしてしまいそうであるが、なかなかそうはならない。

まず、ホットリードの定義が難しく、定義の判断基準をゆるくすれば、「勝手にホットリードに育つ」といえるかもしれない。逆にホットリードの定義の判断基準を厳しくすると質の高いリードにはなるが、「勝手に育つ」というようなことはほぼないだろう。

特に成約獲得からみれば、意思決定権者を中心に企業全体を育成しなければならないため、マーケティングオートメーションに登録されているリードだけを育成しても、成約獲得は難しい。

このため、「オートメーション」はかなり限定的なオートメーションとなるので、ご注意いただきたい。

後述するが、マーケティングオートメーションの「オートメーション」のメインの部分は、ステップメールの発動条件の柔軟性とステップメールシナリオの柔軟性である。この仕組みをうまく使いこなせれば、「オートメーション」の恩恵を受け、マーケティング業務の生産性向上を実現できる。

マーケティングオートメーションの概要まとめ

このように、マーケティングオートメーションはできる範囲が限定的である。マーケティングの範囲としては、メインは「リードナーチャリング・リードクォリフィケーション」であり、かつ、BtoBの場合は成約獲得までは無理と考えるべきである(BtoBのオンラインショップがある場合は話は別)。オートメーションの範囲としては、マーケティング活動の一部を自動化しているだけで、ほとんどは人間による作業が必要になる。

そのため、どこまで何ができるのか?をしっかし把握した上で、導入検討を進めるべきである。

マーケティングオートメーションの主な導入目的

BtoBにおいてマーケティングオートメーションの主な導入の目的は3つある。それが(1)過去のリードに対する案件の再創出、(2)タイムリーなリードをホットリードに育成、(3)BtoBマーケティング業務の効率化、である。

目的1:過去のリードに対する案件の再創出

マーケティングオートメーションの導入目的の1つに、「過去のリードに対する案件の再創出」がある。

BtoBの場合、営業部門や経営陣が無数の名刺を保有しており、仮に1人500枚の名刺を持っているとすると、100人いれば5万枚もの名刺になる。この名刺の中で実際に顧客になっているのは数少なく、ほとんどが「放置状態」であることが多い。

そのため、こういった過去のリードに対して案件を再創出することを目的に、マーケティングオートメーションを導入するケースがある。

目的2:タイムリーなリードをホットリードに育成

マーケティングオートメーションの導入目的の1つに、「タイムリーなリードをホットリードに育成」がある。

タイムリーなリードとは、目的1のように「放置状態」のリードではなく、今発生しているリードのことである。例えば、WEB経由でのコンバージョンや、展示会で獲得した名刺などである。先月、1ヶ月で30件のリードをWEB経由で獲得しているとした場合、タイムリーなリードは30件ということになる。

こういったリードはすぐに商談につながる可能性があり、営業部やインサイドセールスが営業活動を行うが、数が多くなると、確度の低い情報収集しているだけのリードも存在する。そのため、マーケティングオートメーションを使ってリードナーチャリングとリードクォリフィケーションを実施し、タイムリーなリードをホットリードに育成する必要があるのだ。

特に展示会でのリードは、情報収集しているだけのリードの可能性が高く、名刺を多数獲得しても、ほとんどは商談にならないだろう。

目的3:BtoBマーケティング業務の効率化

そして、最後の目的は「BtoBマーケティング業務の効率化」である。

上述した目的1、2のマーケティング業務を電話やメールといった様々な手段を用いて実施することになるが、数が増えてくるとかなり大変になる。

数百人くらいであれば、マーケティングオートメーションがなくても、なんとかできるかもしれないが、数千人クラスになると手に負えなくなる。

そこで、マーケティングオートメーションを導入し、目的1、2の業務を効率化するのである。効率化できれば、より多くのリードを担当者が管理できるようになり、その分、商談のチャンスも増えるというわけである。

マーケティングオートメーションはいつから導入するか?

上記のような目的で導入されるため、マーケティングオートメーションには導入のタイミングを見極める必要がある。少なくとも、下記の条件を満たしていなければ、マーケティングオートメーションを導入しても活用できないだろう。

(1)過去のリード(名刺など)の件数が現在の営業担当者の人数ではさばけないほどある
(2)タイムリーなリードの件数が現在の営業担当者の人数ではさばけないほどある

このどちらかを満たした場合、導入の検討を開始するタイミングと言える。(1)については社内に眠っている名刺データなどを一元管理し、どのくらいあるかを把握すると良いだろう。(2)については、毎月のWEB経由の問い合わせ件数や、展示会での名刺獲得件数をカウントし、その後のフォロー率・商談化率を算出すると導入するかどうかの判断材料になるだろう。特にフォロー率が悪い場合は、導入を検討しても良いタミングと言える。

マーケティングオートメーションで何ができるのか?主な特徴と機能

それではマーケティングオートメーションで何ができるのか?をご紹介しよう。

リード管理機能

マーケティングオートメーションではリードの管理ができる。自社が保有しているリードをすべてマーケティングオートメーションで管理することになる。このため、日々発生するタイムリーなリード情報をマーケティングオートメーションと連携させる必要があり、WEBの問い合わせフォームや名刺管理のシステムとのデータ連携は必須となる。また導入時は社内のリードリストのすべてのデータをマーケティングオートメーションにCSVで投入する必要がある。

なお、WEBの問い合わせフォームについては、マーケティングオートメーションで問い合わせフォームを作成できるので、今使っているフォームと入れ替えることで、入れ替え後のWEB経由のリードについてはマーケティングオートメーションにリード情報が自動的に登録される。

リードスコアリング機能

マーケティングオートメーションのメインの機能の1つといっても過言ではない機能がリードスコアリングである。マーケティングオートメーションに登録されているリードの属性情報をベースにスコアリング(点数付け)が行える機能だ。

属性情報によるスコアリングとは、例えば、会社の規模や業種、リード個人の役職でのスコアリング、さらには、そのリードのWEBサイトの訪問履歴によるスコアリングである。

WEBサイトの訪問履歴によるスコアリングとは、そのリード個人が過去●ヶ月以内に「製品Aの料金ページをみた」という訪問履歴があれば、「10点加点」するというイメージだ。

マーケティングオートメーションには、過去のWEBサイトの訪問履歴からスコアリングする機能が実装されているため、スコアが高くなると頻繁に自社サイトに訪問しているということを意味する。そして、訪問回数が多くなればなるほど、自社製品に関心があり、確度が高いリードではないか?と判断できるのである。

リードスコアリングに関しては下記のコラムも参考になるので、ぜひご覧いただきたい。

デジタルマーケティングにおけるマーケティングオートメーションのリードスコアリング活用法
https://homepage.aluha.net/column-wp/digital-marketing-lead-scoring-201807

メールマーケティング機能

マーケティングオートメーションには、メールマーケティング機能があり、よりOneToOneに近いメールを配信できる。主に配信できるメールは2種類ある。

メールマーケティング機能「一斉メール配信」

マーケティングオートメーションに登録されているリードに対して、特定の条件による絞り込みを行い、絞り込んだターゲットリストに対して一斉にメールを配信できる。例えば、過去2ヶ月以内に製品Aの料金ページをみたリードに対してセミナー案内を行うなどである。

メールマーケティングでは、「誰に、いつ、何を送るか?」が重要であるが、その「誰に」という部分をマーケティングオートメーションでカバーできる。様々な切り口でターゲットリストを作れるため、柔軟で効果的なメール配信が実現する。当然、絞り込んだターゲットリストに対するメール配信はより高い効果を生む可能性がある。

メールマーケティング機能「ステップメール配信」

マーケティングオートメーションでは、トリガー(ステップメールの発動条件)を設定することで、自由にステップメールを配信できる。ステップメールは無数に登録が可能で、例えば、料金ページを見た翌日に「価格表を案内するメール」を配信したり、製品ページを見た翌日に、「製品詳細セミナーの日程を案内するメール」を配信することが可能だ。

ステップメールは発動条件とステップメールシナリオをマーケティングオートメーションに設定しておくことで、自動的に配信されるため、リードのWEB訪問といった見えない行動に対してより積極的なメールマーケティングが実施できるようになる。

マーケティングオートメーションの「オートメーション」のメインの部分は、このステップメールの発動条件の柔軟性の高さとメールシナリオの柔軟性の高さであるといっても良いくらい、柔軟なステップメールのシナリオ設計が可能だ。

例えば、料金ページを見た翌日に「価格表を案内するメール」を自動で送信し、そのメールを開封したら、次はこのメールを自動で送信し・・・といった具合に、シナリオに分岐を加えることも可能で、これにより、リードの行動(開封やクリックなど)に合わせた柔軟なメール配信を自動化できる。

この機能をうまく使いこなすことで、リードナーチャリングを効率化することが可能であるが、シナリオの分岐をやりすぎると、メンテナンスが複雑化し、運用ができなくなるといったジレンマも存在する。

マーケティングファネル機能

マーケティングオートメーションでは、リード管理と連動してマーケティングファネルを確認できる仕組みがある。「マーケティングファネル」とは、興味段階、検討段階、比較段階、商談段階という具合に、成約までの段階を図解にしたものである。

マーケティングオートメーションは、リードを管理しているため、このマーケティングファネルを数値化する仕組みがあり、わかりやすく言えば、検討段階のリード●人、比較段階のリード●人という具合に、リードの確度を数値で確認できるようになる。

ただし、何をもって検討段階なのか、何をもって比較段階なのか、の定義が非常に難しく、担当者の思い込みのファネルになっているケースが多い(というより、100%確実なファネルを作ることはかなり困難であるため、あくまで参考というレベルであると考えた方が良い)。

マーケティングオートメーションのメリット・デメリット

マーケティングオートメーションのメリット

マーケティングオートメーションのメリットは、各社の現在の業務内容にも影響するため一概には言えないが、下記のようなメリットがある。

マーケティングオートメーションのメリット1「自動化による生産性向上」

最も大きなメリットは生産性の向上である。ステップメールは自動的に配信される上に、リードの過去の行動、今の行動に合わせたステップメールが配信できるため、かなり有効なメールマーケティングが実行できる。

さらに、リードの件数が増えてくれば、担当者1名で数千人、数万人に対するリードナーチャリングが可能になるため、効率の良いマーケティング活動が実現する。

マーケティングオートメーションのメリット2「ほったらかしの削減」

過去のリードに対するアプローチが可能になるため、リードのほったらかし状態が削減できる。リードスコアリング機能も活用すれば、「3年前に名刺交換したあの人がサイトに頻繁に訪問している」といった発見もあり営業活動も活性するだろう。

マーケティングオートメーションのメリット3「マーケティング効果の可視化」

マーケティングオートメーションにはリードスコアリングやマーケティングファネル、リード別のWEB訪問履歴分析といった効果を分析する機能が豊富に揃っている。そのため、マーケティング活動の効果を数値で把握することが可能だ。メールの開封率やクリック率も確認できるため、PDCAも回しやすい。

さらに、効果が可視化できるため、様々な気づきを得ることができる。例えば、「成約したお客様の過去のWEBサイト訪問履歴を分析すると、ある特定のWEBページを見ていることがわかった」などである。こういった気づきをマーケティングオートメーションは与えてくれる。

気づきが積み重なってくると、様々な施策が打てるようになり、そういった施策を打つと効果につながることも多く、効果創出の良いサイクルが回り始める。

マーケティングオートメーションのメリット4「人材1名分くらいの導入コスト」

マーケティングオートメーションのツールは安いもので月数万円程度である。そのため、人材1名分の人件費以下のコストで導入が可能である。そのコストで上述したようなメリットが得られれば、十分な費用対効果である(ただし、高いツールは人材1名でも導入できない)。

マーケティングオートメーションのデメリット

マーケティングオートメーションのデメリット1「オートメーションなのに結局仕事が増えてる?」

これはリアルな話であるが、先日、弊社が開催したデジタルマーケティング担当者の交流会「ALOHA会」でも話題になった話である。マーケティングオートメーションを導入したものの、自動化の恩恵が少なく、結局仕事が増えているというケースがある。

マーケティングオートメーションの自動化の機能には限界があるため、リアルで発生する様々なイベントや状況変化に対しては、結局人間が手作業で管理する必要がある。こういった細かいマメな作業が続発すると、仕事が増えてしまう。

ただ、逆の発想もできる。マーケティングオートメーションにより、ある程度の作業が自動化できる。そのため、その分生産性が向上し、今までできなかった仕事ができるようになるのだ。こう考えれば、仕事が増えたように感じるが、できなかった作業ができるので、より効果的なマーケティング施策が打てるようになるはずだ。

マーケティングオートメーションのデメリット2「営業がフォローしない」

これも現場でよくある話で、マーケティングオートメーションを導入し、リードナーチャリングとリードクォリフィケーションを行い、ホットリードと思われるリードを営業部に展開しても、フォローしてくれないという実態がある。

単純な話、スコアが高いからといってホットリードなのか?というとそうでもないケースが多いのである。特にBtoBは意思決定権者でない限り、購入の決定権がないため、スコアが高くても買ってくれないということは多々あるのだ。

なお、本件に関しては、営業部にリードリストをどう渡すか?をまとめた下記の資料があるので、ぜひ参考にしていただければ幸いである。

マーケティングオートメーションによる営業に渡すリードリストの作り方
〜商談化・フォロー率を高めるリスト作り「3つの手順」〜
https://homepage.aluha.net/contact/white-paper/#r17

マーケティングオートメーションのデメリット3「使えない、使いこなせない」

これもよくある話で、マーケティングオートメーションを導入したものの、使いこなせず、ただあるだけというケースもあるようだ。おそらく、これはマーケティングオートメーションの問題ではなく、「使い方」に問題があることが多いと弊社では考えている。

マーケティングオートメーションはメール配信システムではなく、あくまでマーケティング活動の一部を自動化するツールである。そのため、マーケティング活動全体の設計が必要で、その設計のどの部分をマーケティングオートメーションに任せるか?がポイントとなる。

このあたりを度外視してマーケティングオートメーションを導入すると、使えない、使い方がわからないとなり、埃をかぶった状態になってしまう。

まとめ

以上、マーケティングオートメーションに関して、概要や導入の目的、いつから導入するか、何ができるのか?主な特徴と機能、メリット・デメリットについてご紹介した。

もしあなたがマーケティングオートメーションの導入を検討されているなら、ぜひこのコラムを社内共有いただき、関係者の方と検討用にご活用いただければ幸いである。

(平成30年8月18日 デジタルマーケティング「THREE-VIEW」

LINEで送る
Pocket

もっと学びたい方のための関連記事

    • BtoBの営業戦略の立て方