デジタルマーケティングとは?5つの手法と各手法のKPI/KGI

デジタルマーケティングとは?BtoBで使える5つの手法とKPI・KGI

今回のコラムでは、デジタルマーケティングを始めるBtoB企業のデジタルマーケターのために、デジタルマーケティングの成功事例や必須施策、重要なマーケティング手法、活用すべきツールやサービス、基礎が学べるデジタルマーケティングセミナーについてご紹介する。長文となるためコラムを5回に分けてご紹介する。

前回は、3つの必須施策と実施順の決定方法についてご紹介したが、第3回では、「5つのマーケティング手法と各手法のKPIとKG」についてご説明する。

BtoBデジタルマーケティングの5つのマーケティング手法

デジタルマーケティングでは、様々なマーケティング手法を用いて、前回ご紹介した3つの施策を実施する。今回は代表的な5つのマーケティング手法をご紹介しよう。

手法1:自社Webサイトを活用したリードジェネレーション

1つ目のデジタルマーケティング手法は、自社Webサイトの活用だ。自社Webサイトで新規リードからの資料請求や問い合わせ、見積り依頼などのコンバージョンを獲得し、新規見込み獲得(リードジェネレーション)を実現する。つまり、Webマーケティングによるリードジェネレーションだ。

設定されるKPI・KGI

このマーケティング手法では、毎月どのくらいのコンバージョンが獲得できるのか?というコンバージョン件数がKGIとして設定される。KPIはコンバージョン率(CVR)やアクセス数となるだろう。

効果をシミュレーションする場合は、毎月のアクセス数に1%を掛け算した数値が期待できる効果となる。例えば、毎月1000人のアクセスがある場合、1%の10件がコンバージョン件数である。逆に言えば、毎月自社のWebサイトで何件のコンバージョンが欲しいか?を目標設定し、その100倍の数値が必要なアクセス数となる。こういったシミュレーションを行いながら、費用対効果、実現性を予測すると良いだろう。

メリット・デメリット

メリットは何と言っても安定感と質の高さ、費用対効果だ。自社のWebサイトでコンバージョンが取れるようになると、よほどのことでもない限り、そのコンバージョンは安定する。そのため、毎月安定した新規見込み獲得が可能となる。さらに、自社のWebサイトであるため、見込み客の質も展示会などに比べると高い。案件化、商談化、受注につながる可能性が高くなるだろう。そして最も大きなメリットは費用対効果だ。SEO対策でのアクセス数とコンバージョンが安定すると、見込み客を獲得するコストがどんどん安くなる。そのため、質の高い見込み客を安定感を保ちながら、低コストで獲得できるようになるのだ。

しかし、デメリットもある。それは、時間がかかることだ。Webサイトを制作したからといってすぐにコンバージョンが取れるようになるわけではない。アクセス数の増加もすぐにできることでもない。そのため、Webサイトを改善する(PDCAを回す)ことや、コンテンツを作るといった業務が必要となる。さらにWebマーケティングに関するノウハウを持った人材の育成や確保、Webマーケティングを実施する体制作り・チーム作りといったあたりも課題となる。

手法2:インターネットメディアを活用したリードジェネレーション

2つ目のデジタルマーケティング手法は、インターネットメディアを活用したリードジェネレーションだ。インターネット上には、業界に特化したメディアサイトが多数存在している。たとえば、IT業界であれば、「アイティメディア」、製造業であれば「イプロス」などである。

こういったWebサイトでは、自社製品やサービスを紹介することが可能で、かつ、新規見込み客の獲得も実施できる。成果保証をするようなメディアもあるため、費用をかけた分だけ見込み客を獲得できる。

設定されるKPI・KGI

このマーケティング手法では、自社Webサイトと同様、どのくらいのコンバージョンが獲得できるのか?というコンバージョン件数がKGIとして設定される。当然費用がかかるので、費用を払えばある程度の件数の見込み客が獲得できる。

効果をシミュレーションする場合は、活用するメディアの営業担当者と「1件あたりの見込み客獲得コスト」を算出しよう。例えば、100万円の費用をかけて、100件の見込み客が獲得できるという保証がついた場合、1件あたりの見込み客獲得コストは、1万円となる。

この1件あたりの見込み客獲得コストは、メディアの料金体系や商材によって異なるので、よく相談して見積もると良いだろう。

メリット・デメリット

メリットは、お金をかければすぐにできることだ。しかも成果保証付であれば、失敗するリスクもない。加えて、自社製品やサービスを知らない未知客に対してアプローチできるため、認知拡大にもつながっていく。

デメリットは費用がかかかること、安定感がないこと、見込み客の質が低いケースが多いことの3つだ。費用を払わないと安定しないため、安定感が悪い。さらに、自社Webサイトではないため、見込み客の質が低いケースが多い。そのため、案件化、商談化までに時間がかかることが多い。

手法3:SNSやデジタル広告を活用した自社Webサイトへの集客強化・認知拡大

3つ目のデジタルマーケティング手法は、SNSやデジタル広告を活用した自社Webサイトへの集客強化・認知拡大だ。BtoBの場合でも、SNS(FacebookやTwitter、Instagramなど)を活用して、集客強化・認知拡大できるケースがある。商材によるため、BtoCほど相性は良くないが、活用できないか検討する価値は十分にある。

そして、DSPもBtoBでは大いに活用できる。BtoBの場合、DSP広告サービスを活用すると、「企業名、資本金、売り上げ、上場区分、従業員数、業種」といった様々な切り口で企業に対して自社サイトのバナー広告などが可能となる。そのため、例えば、「関東エリアで従業員数500名以上の製造業に自社製品のバナー広告を出す」というようなデジタル広告の展開が可能だ。

設定されるKPI・KGI

DSP広告では、自社Webサイトへの集客数がどのくらい増えたか?がKGIとして設定される。中には、ランディングページと連携させてコンバージョンまでを追いかけるようなサービスもあるため、コンバージョン件数がKGIになることもあるだろう。

当然費用を支払い、広告を展開するため、どのくらい集客が見込めるのか?は各DSPサービスの営業担当者と相談することになる。大抵の場合、シミュレーションシートを提案してくれるはずだ。

SNSはファンの数がKGIになることが多い。ただし、製品とSNSユーザーの相性があるので、ファンの数を追い求めても効果は低いケースもあるため、注意が必要だ。

メリット・デメリット

SNSの場合はファンが増えれば関係が深まり、アクセス数が安定するといったメリットがあるが、BtoBの場合はSNSユーザーとの相性の問題があるため、デメリットの方が大きい可能性がある。SNSユーザーは基本個人であるため、BtoBとは相性が悪い。加えて、大手企業の場合、業務中にSNSを自席PCから閲覧することは禁じられているため、情報提供などは非常に難しいだろう。

DSP広告の場合、認知拡大、ターゲット企業へのアプローチといったメリットがある。さらに、BtoBの場合、検索キーワードが見つからないといったマニアックな製品を扱うケースがあるが、そういった場合に、DSP広告はターゲットに対して効果的にアプローチできる可能性を秘めている。

しかし、広告費用が高くなる点や、確度の低い見込み客を集客することもあり、費用対効果が悪化することが多い。

手法4:MAを活用したメールコミュニケーションとリードナーチャリング

4つ目のデジタルマーケティング手法は、マーケティングオートメーション(MA)を活用したメールコミュニケーションとリードナーチャリングだ。マーケティングオートメーション(MA)については、どのようなツールなのか?何ができるのか?主な機能は何か?導入される目的は何か?などを下記のコラムで詳しくご紹介している。ぜひ参考にしてほしい。

マーケティングオートメーションの基礎・概要を徹底解説

マーケティングオートメーションとは?概要・メリット・デメリット・導入目的

2019年7月13日

マーケティングオートメーションを活用したメールコミュニケーションとリードナーチャリングでは、主に下記の2つを実施する。

名刺交換したリードに対する案件再創出やニーズ調査

1つ目は、展示会や各種イベント、セミナーなどで名刺交換したリードに対する継続的なフォローの実施だ。BtoBでは、すぐ成約・受注になることがないため、継続的な見込み客の育成やフォローが重要だ。しかし、すべての見込み客に対して継続的に営業担当者が電話や訪問などを実施していると効率が悪いだけでなく、営業活動が属人化し、さらには効果分析がやりにくくなる。

そこで、確度の低い見込み客に対してはEメールを使ったコミュニケーションを実行するのだ。

具体的には、毎月定期的なメルマガをマーケティングオートメーション(MA)から配信することになる。セミナー情報、イベント情報、新商品案内、成功事例など、様々なコンテンツをメルマガで配信し、見込み客との関係を深めていく。

必要な情報を必要なリードに配信しホットリードへと育成

2つ目は、「必要な情報を必要なリードに配信しホットリードへと育成する」だ。BtoBのデジタルマーケティングでは、「セミナーの申し込み」「Webサイトからの製品概要資料のダウンロード」といった様々なコンバージョンが自社のWebサイトで定期的に発生する。

マーケティングオートメーション(MA)は、そういったコンバージョンが発生した日を起点にして、ステップメールを配信し、フォローアップを自動化することができる。ステップメールとは、1日後にはEメールAを、3日後にはEメールBを、7日後にはEメールCをという具合に、あらかじめ設定したシナリオに従い段階的にEメールが配信される仕組みのことだ。

例えば、製品概要資料へのコンバージョンがあった場合、1日後には「ありがとうメール」を、3日後には「資料の内容を捕捉するメール」を、5日後には「製品の事例セミナーの案内メール」を配信するなどである。

マーケティングオートメーション(MA)はこのステップメールを自由に設計し、様々なシナリオを作成した上で自動的に配信してくれるので、デジタルマーケターの工数を削減することができる。

設定されるKPI・KGI

マーケティングオートメーション(MA)では、Eメールの開封率やクリック率がKPIに、そしてEメール経由での自社Webサイトでのコンバージョン(セミナー申込など)や営業送客数がKGIに設定されることが多い。

Eメールの開封率は、BtoBの場合は20%から30%、クリック率は配信数を母数にして5%から10%くらいがおおよその数値となるだろう。KGIであるコンバージョン率については、セミナー案内なのか、資料ダウンロードなのかで大きく異なるため、一概には言えない。

メリット・デメリット

マーケティングオートメーション(MA)のメリットは、なんといってもデジタルマーケターの工数の削減だ。あらかじめ設定したシナリオに従い、自動的にフォローアップメールを配信してくれるので、非常にマーケティング活動が楽になる。

さらに、確度の高いリードを発見するリードスコアリングといった仕組みもあるため、リードナーチャリング活動が実施しやすくなる。

デメリットは「メールコンテンツ」を作り続けなければならないことだ。これはそういった体制(チーム)を作らなければ運用を継続することは難しい。

手法5:リアルチャネルとの連携(営業部門や代理店との連携)

5つ目のデジタルマーケティング手法は、リアルチャネルとの連携(営業部門や代理店との連携)だ。

よくある連携のシーンといえば、「営業部門・代理店連携」である。例えば、自社Webサイトで毎月50件の資料請求があるとしよう。資料請求獲得後、そのリード情報を営業部や代理店に送客したい場合、毎回人間が手作業で送客するのか、自動連携するのかで大きく工数が変わってくる。さらに、送客後、実際にフォローされたのか?フォローした結果どうなったのか?の状態をタイムリーに把握するのも重要となる。

このような情報の連携はBtoBデジタルマーケティングではあちこちで必要となる。まさに、オンライン(デジタル)とオフライン(リアル)のデータ連携である。

こういったデータ連携を実施するには、デジタルマーケティングやリアルの営業活動で活用している各システム(例:セミナー管理システム、SFA、CRM、MAなど)間のデータ連携が必須となる。データ連携の際には、APIなどを活用することが多いが、データ連携が自動化されていなければ、マーケティング活動全体の数字を俯瞰することができなくなり、効果分析の際に大きな影響が出ることになる。

設定されるKPI・KGI

リアルチャネルとの連携では、営業のフォロー率、商談化率、受注率がKPIに設定される。その上で、デジタルマーケティング経由の売上はどのくらいあるのか?売上貢献度はどのくらいあるのか?をKGIとして算出するケースが多い。

売上貢献度は、デジタルマーケティングにどのくらいのリソース(予算、人、時間など)をかければよいか?の判断を行う指標になるため、経営陣から重宝されるだろう。

メリット・デメリット

メリットはなんといっても、連携することでデジタルマーケティングの費用対効果が数字で俯瞰できるようになることだ。戦略的なマーケティング判断ができるようになり、非常に大きな効果をもたらす。

デメリットは、工数である。とにかく大変だ。部門間、システム間のデータ連携は非常に大変だ。どこまでデータ連携できるのか?これが大きな勝負所となるだろう。自動的な連携を目指すのか、ある程度CSV・エクセルなど手動の連携を取り入れるのか、非常に難しいところである。

以上、BtoBのデジタルマーケティングの手法についてご紹介した。

それでは、次のページでは、BtoBのデジタルマーケティングでよく活用する主なツール・サービスについてご紹介する。ご紹介した5つの手法をどんなツールやサービスで実現できるのか?具体的なツール・サービス名も紹介しながらご説明しよう。


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