富士フイルムホールディングス株式会社様のBtoBデジタルマーケティングコンサルティング事例

デジタルマーケティング戦略フレームワークの構築事例

BtoBデジタルマーケティング成功事例「戦略フレームワーク構築事例」

富士フイルム株式会社は、写真フィルムの製造からスタートした精密化学メーカーである。2018年からALUHAがBtoBデジタルマーケティング支援をスタートすると、Webサイトへのアクセス数(UU数)が約4倍に、製品サンプルの請求数が1桁から3桁に急増した。現在もWebサイトからのリード獲得、マーケティングオートメーション(MA)に共に取り組むほか、BtoBに特化したデジタルマーケティング戦略のフレームワーク「FAMメソッド(富士フイルム&ALUHA・マーケティング・メソッド<ファムメソッド>)」を完成させた。

取材協力
富士フイルムホールディングス株式会社

  • ICT戦略部 川縁 健司氏
  • ICT戦略部 奥 壽之氏

取材方法について
新型コロナ対策のため、対面取材は行わず、メールによる取材を行いました。

ALUHAとの出会い・きっかけ

富士フイルムはALUHAに出会う前、自社で独自にデジタルマーケティングに取り組んでいた。

「当社は2016年7月から試験的にいくつかの事業に絞って、BtoBデジタルマーケティングを開始しました。当時は、現在の『ICT戦略部』ではなく『e戦略推進室』がWebサイトを管理していたのですが、BtoBユーザーのWeb検索が増加傾向にあることがわかっていました。そのため『Web活用で新規案件を獲得できるはず』との期待からスタートしたのです。ちょうどマーケティングオートメーション(MA)が日本に入りはじめた時期だったので、顧客の見える化ツールとして当社でも導入しました」(奥氏)

このころ、MAメーカーのコンサルティングを受けるようになっていたものの、取り組みを進めるうちに違和感を覚えるようになった。

「当初はツールを使いこなせればなんとかなるのではないかと考えていたこともあり、MA活用での成果を出すべく活動していました。しかし、次第に『BtoBデジタルマーケティングはMAだけではないな』と感じるようになったのです。そこで、基礎からBtoBデジタルマーケティングを学びたいと考え、Web検索や展示会場で情報収集をしていました。こうしたなかALUHAさんのWebサイトで『無料セミナー開催』というページを見つけ、タイトルに惹かれて申し込んだのです。ただ、『売り込みの手法としては面白いな』という感じだったのが正直なところで、内容についてはあまり期待をしていませんでした」(奥氏)

いっぽう、川縁氏の受けた印象はやや異なっている。

「奥から『出張講座(勉強会)をしてくれる会社がある』と聞き、『こうした売り込みの仕方もあるのか』と感心しました。マーケティング手法における発想の柔軟さを感じ、無料セミナーに期待を抱きました」(川縁氏)

期待値はそれぞれだったが、無料セミナーを受けることについては一致した。その背景にはある事情があった。

「当社は、写真用フィルムやフジカラープリント、デジカメ、チェキのイメージが強く、国内マーケット向けコンシューマ商材メーカーと認知されていますが、コンシューマー向け商材の売上は全体の10%、国内売上比率は40%で、実際はBtoB商材、海外の売上比率が高い会社です。この傾向は今後ますます強まる見込みであるため、BtoBデジタルマーケティングを学ぶことの重要性は高かったのです」(奥氏)

ALUHAにBtoBデジタルマーケティングコンサルティングを依頼

2018年8月、このような事情があるなかでALUHAの無料セミナーを受講した。BtoBの製造業に特化したデジタルマーケティングの戦略論や成功事例についてのセミナーを受け、どのような印象を持ったのだろうか。

BtoBデジタルマーケティングセミナーの開催事例「富士フイルム株式会社様」

※セミナー実施の詳細は下記ページで公開中
https://homepage.aluha.net/case/btob-marketing-seminar/fujifilm/

「開催にあたりマーケティングを支援していた関係部署に声を掛け、大人数で受講させていただきました。マーケティングの理解は浅いが興味はあるという担当者が多い状況だったこともあり、『とりあえず参加』という気持ちの者が多かったように思います。しかし、実際にセミナーを受けてみると非常によい内容で、私はいまでもこのセミナーの資料を読み返すことがあるほどです」(奥氏)

奥氏としてはさほど期待していたわけではなかった、ALUHAの無料セミナー。だが、その内容はデジタルマーケティングについての知見を得るだけでなく、覚えておきたい内容だった。川縁氏はどのように感じたのだろうか。

「日頃おこなっているデジタルマーケティング業務について、感覚的にとらえていたことを言葉に落とし込んで説明してくださったため腹落ちしました。初心者に近い担当者からベテランまで、多くの部門からさまざまなキャリアの関係者が参加しましたが、俯瞰的に見たデジタルマーケティングの役割から各タスクの関連性についてわかりやすく定義し、明確に説明してもらえたことが非常によかったと思います。このおかげで、各自が自分のタスクについて新たな視点で整理し、目的を明確化できました。荻野さんの、他者に伝える能力の高さを感じました」(川縁氏)

このセミナーから約3か月後の2018年11月、富士フイルムはALUHAとともにデジタルマーケティングをスタートする。ALUHAにコンサルティングを依頼することに決めた要因はなんだったのだろうか。

「勉強会での説明が非常にわかりやすく明快だったこと、質疑対応も的確だったことから、デジタルマーケティングの一般論を当社の個別事情に落とし込むとき、どのように応用できるのか非常に興味がありました。また、キャリアの浅い担当者も多かったため、デジタルマーケティングの力を育成して知見やスキルを蓄積する効果も期待していました。ALUHAさんには、そのための普遍的な考え方の軸やフレームが存在しているように感じたのです」(川縁氏)

奥氏からも同様の回答があった。

「当時、他のコンサルタント会社からも話を聞いて選定していたのですが、いずれも当社に本質的なノウハウが蓄積できない気がして躊躇していました。また、他社のマーケティング部の運用事例を聞くと、企画立案のみ自社でMAを含む設定・運用はコンサルティング会社が担当というパターンが多くありました。しかし、当社の場合はBtoBのデジタルマーケティングをしっかり学びたかったので、体系的に基礎から学べ、ノウハウを当社に残すことができそうなALUHAさんに依頼することにしたのです」(奥氏)

富士フイルムがコンサルティングを依頼する目的は、単純にデジタルマーケティングの成果を挙げることだけではなかった。デジタルマーケティングのスキルを持った人材を育成し、社内にノウハウを蓄積することも考えていたのである。ALUHAであればこれらを実現できると期待したことが、コンサルティングを依頼した決め手となった。

Web、MAともに大きな成果

富士フイルムとALUHAが共にデジタルマーケティングに取り組みはじめ、3年程度が経った(※取材日現在)。この間の成果をどのようにとらえているだろうか。

「徹底した事業部理解の重要性やデジタルを活用した市場、競合分析の仕方について知見が高められ、ノウハウを蓄積できたと思います。また、関係した事業部もコンサルティングを通して他社の状況を再認識し、事業戦略の視点が高くなったように感じます。各事業部の事情に配慮したうえでの柔軟な提案や、他社へのコンサルティング経験をふまえたうえでの荻野さんのお話には人を巻き込む力があり、デジタルマーケティングの推進力となりました」(川縁氏)

BtoB商材はマニアックで理解しづらいこともある。ALUHAには過去の成功事例が多くあるため商材や顧客特性を素早くキャッチアップし、適切なアドバイスや施策展開の支援ができる。これはALUHAの魅力の一つと言えるだろう。ただ、コンサルティングというと、硬い雰囲気をイメージしてしまいがちだ。ALUHAとの打ち合わせはどのような雰囲気なのだろうか。

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「さまざまな部門や商材があるなかでそれぞれに対応していただき、適切に事例紹介もしていただいているため理解しやすく、非常に助かっています。打ち合わせでもかなり気を遣っていただいており、とてもいい雰囲気で進んでいます」(奥氏)

それでは、ALUHAとともにデジタルマーケティングに取り組みはじめてから、実際にどのような成果があったのだろうか。

「既存商材だけでなく新製品導入についても、Webマーケティングの全体像がわかりました。広告やGoogleへの対応ポイントなどもご解説いただき、それぞれの関係性の理解にもつながっています。その結果、ページの構成、課題の見つけ方、改善のポイントなどを、各事業の担当者に指導もできるようになりました」(奥氏)

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川縁氏も奥氏と同じく、大きな手ごたえを感じている。

「毎月データでKPIを管理して成果を確認しながらPDCAを回す習慣を、事業部に根付かせられたことは最も大きな成果だと考えています。また、KPI管理することで、それぞれの目的に合った課題、タスクの明確化と優先順位付けができるようになり、実際の成果改善にもつながりました。さらに本質的なKPIに絞って運用することで、施策の絞り込みによるリソースの集中、実施の早期化、成果創出の迅速化も図れています。このあたりの着眼点や優先順位のつけ方に対するコンサルティングは非常に参考になり、検討のスピードアップに貢献しています」(川縁氏)

ALUHAにコンサルティングを依頼した当初に考えていた通り、順調にノウハウが蓄積されているようだ。では、客観的にはどのぐらいのデータが出ているのだろうか。

「数字的な効果としては、Webサイトへの年間のアクセス数が4倍になりました。そして、もっとも嬉しかったのは、『年間数件程度』だったサンプル請求数が、現在は『年間100件以上』に急増していることです。サンプル提供は以前からも実施していましたが、Webサイト内動線の変更やメルマガでの積極的な告知、サンプル提供品種の増加などで劇的に増えています」(奥氏)

ALUHAのデジタルマーケティングのノウハウは、実際に大きな成果につながっている。ただ、ALUHAが支援しているのはWebサイトからのリード獲得だけではない。マーケティングオートメーション(MA)のコンサルティングもおこなっている。

「MA活用に関しては、ステップメールシナリオを継続的に実施することで、コンスタントなリード獲得と問い合せ発生があり、リード育成に成功しています。また、MAと連動することで、リード管理やメルマガ送信等もうまく回っています。ある商材では、MAからセミナー案内のメールを配信することで、高額商材にもかかわらず商談や案件獲得にもつながっています」(奥氏)

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川縁氏がALUHAのMA支援のポイントを説明する。

「デジタルマーケティング戦略を長期的な施策と短期的な施策の2つの視点で整理し、それぞれの関係性を明確化できたことは、全体像の整理・把握のために非常によかったと思います。たとえば、メール施策はそれまで同じカテゴリーで考えていたため議論が混乱し、正しいKPI設定ができていませんでした。短期的施策と長期的施策それぞれの目的にマッチしたコンテンツを準備する必要があることを再認識して対応したことで、成果に繋げることができたと思います」(川縁氏)

確かにデジタルマーケティングの範囲は広い。リード獲得から最終的な成約までに、さまざまなプロセスを踏むケースがある。そこでALUHAでは長期的な視点と短期的な視点から施策を整理し、MA運用を支援しているのである。

「コンサルティングでは、長期的・短期的な戦略整理の考え方に加え、利用可能な数少ない資料やデータのなかからコンテンツ化のネタやアレンジ案も提供いただきました。こうして最終的なアウトプットまで伴走してもらえることは、成果にコミットする姿勢として非常に心強く感じています」(川縁氏)

富士フイルムとALUHAはWeb、MA活用で大きな成果を出すことに成功。この実績が富士フイルム内で認められ、ALUHAのノウハウをまとめたフレームワークが開発された。「FAMメソッド(富士フイルム・ALUHA・マーケティング・メソッド)」である。

「FAMメソッド」の開発を検討したきっかけ

フレームワーク開発を依頼した当時のことを、川縁氏と奥氏はこう語る。

「コンサルティングを受けるなかで、荻野さんの話の軸は常にぶれないことを感じていました。逆に当社の担当者は、状況に合わせた施策を提案、選択することについて不安定な部分があったのです。また、新たな担当者も増えたことから、荻野さんのノウハウを何らかのフレームワークのようなものとして“見える化”して、関係者に展開できないだろうかと考えるようになりました」(川縁氏)

この時期、確かに大きな成果は出ていたが、そのノウハウはまだ社内ではなく担当者個人に蓄積していたようだ。

「ノウハウの蓄積を属人化しないために、指標になるものを残さなければいけないと考えていました。近い将来、マーケティングは事業部に自走してもらわないといけない時期が来ます。課題が見えたときにフレームワークを参考にして、各自が解決してくれればと思います」(奥氏)

BtoBデジタルマーケティングのノウハウを属人化させず、かつ社内に残し蓄積する。フレームワークの開発は、こうした狙いからはじまった。フレームワークがあれば、「人材育成の効率化」「スキルレベルの統一」、さらには「業務プロセスの標準化」まで実現できる可能性がある。ALUHAのノウハウが成果につながることはすでに実証済だったため、ALUHAと一緒にフレームワーク化を進めることになったのである。

FAMメソッド、その主な内容は?

FAMメソッドとは具体的にはどのようなものなのだろうか。ALUHAは6つのフレームワークを開発した。

FAMメソッドの戦略フレームワーク
  • リードジェネレーションフレームワーク
  • リードナーチャリングフレームワーク
  • ターゲティングフレームワーク
  • 商談創出フレームワーク
  • デジタルマーケティングの実行計画の立て方フレームワーク
  • コンテンツ作成フレームワーク

ALUHAが納入したFAMメソッドを川縁氏や奥氏はどのように評価しているだろか。その出来栄えについて聞いた。

「これまでのコンサルティングにおけるノウハウが惜しみなく凝縮され、形になったように感じました。どれもコンサルティングのなかで聞いた話で、それらをまとめるとこのように整理されるのかと改めて感心しました」(川縁氏)

奥氏からも同様の感想があった。フレームワークの出来栄えには、両氏ともに満足しているようだ。しかし、運用には課題もある。

「私たちは長い時間をかけてコンサルティングを受けてきた集大成をフレームワークの形で目にしたので、知見を整理するのに役立ちました。ICT戦略部内では、便利に活用しています。特に各事業部への説明のバックボーンとして、非常に分かりやすく、効果的に利用できていると感じます。ただ、いまのところ各事業部の運用者への展開にあたっては、このままで活用可能か見極め、慎重に導入方法を検討したいと考えています」(川縁氏)

富士フイルムとALUHAの取り組みは、確かに大きな成果を挙げた。ただ、FAMメソッドが全社的に活用できるものなのかは、現在のところ未知数だ。そのため、各事業部への適用については少しずつはじめている。

「私と事業の担当者とで課題を共有したら、『これを読むと解決につながると思う』という感じでフレームワークを展開しています。本格的な活用は、まだまだこれからです」(奥氏)

フレームワーク「FAMメソッド」の今後の活用方針・展開について

最後に、FAMメソッドの今後の活用方針や展開について聞いた。

「現在のフレームワークは全体を通して理解していれば利用可能ですが、“つまみ食い”のように活用するのは難しいと思います。マーケティングや営業の兼任者であれば、部分的にでも利用したいだろうと思います。こうしたニーズに応えられる改善を図りたいですね。また、具体的な課題や事例を紹介するコラムを用意し、担当者が課題を持ったときにフレームワークに立ち戻ってもらえるようにすることを検討しています。さらに、海外への活用展開を図るべく、英語への翻訳についても検討していきたいですね」(川縁氏)

まずは、社内で有効活用するためのブラッシュアップや調整に取り組むようだ。また、富士フイルムは海外の売上比率が高い企業である。いずれは海外事業でも活用できるように準備を進める意向だ。

「マーケティングにはさまざまな種類があると思います。今回のFAMメソッドはBtoBデジタルマーケティングに特化していますが、当社の現状を考えると部門を問わず全員に学んでほしい内容です。マーケティングに興味のある人ない人、興味はあるけれどマーケティングが仕事ではない人……。FAMメソッドで、その全員がマーケティング・マインドを持てるといいですね。自分の経験から、マーケティング思考は本当に重要だと思います。『課題は何か?』『どうやって相手を動かすか?』『ベストな進め方は?』など、損得ではなく考えられるようになるといいですね。FAMメソッドが社員のマーケティング思考の起爆剤になればと思います」(奥氏)

今後、FAMメソッドを活用したBtoB商材のマーケティングや営業活動が拡大していくとすれば、それは富士フイルムやALUHAの狙い通りの展開だと言える。ALUHAは、FAMメソッドの実務に合わせた改良を進めながら、富士フイルムのデジタルマーケティングの浸透を支援していく予定だ。

コンサルタント「荻野」から一言

3年にわたり、富士フイルム様のさまざまなBtoBマーケティングのプロジェクトに参画させていただきました。製品がニッチで施策展開が難しい局面や、デジタルコンテンツ作成で苦労した局面など、たくさんの苦労もありましたし、逆に大きな成果がでて一緒に喜び合えたこともありました。そんな中で、BtoBデジタルマーケティングのフレームワーク「FAMメソッド」を開発し納品させていただいたことは、弊社にとって何より嬉しいことです。

今後もFAMメソッドをベースにマーケティング戦略から実行までをご支援できればと思っております。この度は大変嬉しいご意見をありがとうございました!!

BtoBデジタルマーケティング成功事例「ALUHAから一言」



お客様ご紹介(本ページ公開時点の情報)

会社名 富士フイルムホールディングス株式会社
本社 〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7番3号
設立 1934年1月20日
資本金 40,363百万円(2022年3月31日現在)
連結正社員数 75,474名(2022年3月31日現在)
連結子会社数 280社(2022年3月31日現在)
連結事業内容 ヘルスケア(メディカルシステム、コンシューマーヘルスケア、医薬品、バイオCDMO、再生医療)、マテリアルズ(高機能材料、グラフィックシステム・インクジェット、記録メディア)、ビジネスイノベーション(オフィス・ビジネスソリューション)、イメージング(フォトイメージング、光学電子映像)に関わる製品・サービスの提供
連結売上高 25,258億円(2021年度)