コンバージョン獲得のための効率的・効果的なリスティング広告の予算の使い方

リスティング広告予算を効率よく活用する方法
Last Updated on 2024年4月1日 by 荻野永策

WEBの集客方法の1つであるリスティング広告は、コンバージョン(問い合わせ・資料請求・引き合い)を増加させる上で重要な方法の1つである。そんなリスティング広告の最大の課題は、決められた毎月の予算の中で、最大限のコンバージョンを達成することである。そのためには、キーワード選定やWEBサイト、ランディングページの改善、広告の改善などが非常に重要である。

しかし、つい忘れがちとなってしまうのが、「リスティング広告のお金の使い方」である。

「お金の使い方」とは、わかりやすく言うと、「コンバージョンが発生する確率の高いタイミング」の時にできるだけ多くの予算を投下し、逆に、「コンバージョンが発生する確率の低いタイミング」の時は、あんまり予算を投下しないことである。このようなお金の使い方を実現することで、同じ金額で、1件でも多くのコンバージョンを獲得できる可能性が高くなる。

そこで、今回のコラムでは、リスティング広告のお金の使い方に着目し、少しでもコンバージョンが発生する確率の高いタイミングで、効率よく予算を使えるようにする方法についてご紹介する。BtoBマーケティングリードジェネレーションにおいて、リスティング広告は重要な手法の1つであるため、ぜひ参照して欲しい。

コンバージョン件数・コンバージョン率の高いタイミングを掴む

では、コンバージョン件数・コンバージョン率の高いタイミングを掴むために、どうすればよいだろうか?「タイミング」とは時間軸であるため、時間軸で考えれば、下記のような軸がある。

・コンバージョン件数・コンバージョン率の高い月
・コンバージョン件数・コンバージョン率の高い曜日
・コンバージョン件数・コンバージョン率の高い時間帯

この中で、特に見落としがちなのが、曜日と時間帯である(月については、毎月の予算管理や月末の分析などを行っていると把握できるため)。そこで、この曜日と時間帯に着目し、下記の4つを掴むことにする。

(1)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン件数が多い曜日
(2)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン率が高い曜日
(3)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン件数が多い時間帯
(4)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン率が高い時間帯

これらの結果が把握できれば、下記のようなことが可能となるため、御社のリスティング予算も最大限に活用できる可能性がある。

(1)コンバージョン件数・コンバージョン率が高い曜日に予算を多く投下し、低い曜日は予算を少なめにすることができる。つまり、クリック単価の微調整が曜日別に行えるようになる。

(2)コンバージョン件数・コンバージョン率が高い時間帯に予算を多く投下し、低い時間帯は予算を少なめにすることができる。つまり、クリック単価の微調整が時間帯別に行えるようになる。

(3)上記(1)と(2)を合わせることで、最もコンバージョンが取りやすい曜日の時間帯に最大限の予算を投下し、最もコンバージョンが発生しにくい曜日の時間帯には予算をかけないという「決断」ができる。

これにより、同じ金額でもコンバージョン件数を1件でも多く獲得できる可能性が増えるわけだ。

それでは、下記の4つを掴むための「調査方法と手順」について具体的にご紹介しよう。

(1)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン件数が多い曜日
(2)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン率が高い曜日
(3)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン件数が多い時間帯
(4)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン率が高い時間帯

これらの4つを調べるには、御社の過去の問い合わせから分析をするのが最も効率的である。当然、過去の問い合わせ件数が多ければ多いほど、より確実なデータになる。しかし、過去の問い合わせ件数が多くない場合は、分析ができないという問題も発生する。

そこで、できるだけわかりやすく調査方法と手順を紹介するために、そして、過去の問い合わせ件数が少ない方のために、弊社の問い合わせデータを活用して、ご紹介させていただく。

曜日・時間別のコンバージョン件数・コンバージョン率を掴むための調査手順

弊社の調査データについて

弊社の過去の問い合わせデータは、下記のような内容である。

  • 記事執筆時点での最新の過去200件分のデータ
  • 弊社への資料請求、見積り依頼、相談、セミナー申し込みのみで、メルマガ登録、協業の申し込み、下請けの申し込みなどは除外
  • 弊社はBtoBマーケティングのコンサルティングを行う会社であるため企業からの問い合わせとなる
  • 同じ方から何度も問い合わせがある場合は、初回の問い合わせのみを分析対象とした
  • 弊社はランディングページを持たないため、ブログや自社サイトからの問い合わせとなる

調査・分析の手順

それでは早速、下記の4つを調べるための手順についてご紹介する。

(1)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン件数が多い曜日
(2)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン率が高い曜日
(3)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン件数が多い時間帯
(4)WEBサイトにおいてもっともコンバージョン率が高い時間帯

手順は全部で下記の2つである。

(1)過去のリストから曜日別件数、時間帯別件数をエクセルで算出
(2)曜日別・時間帯別の訪問者数をGoogleアナリティクスで算出しCVRを計算

手順1「過去のリストから曜日別件数、時間帯別件数をエクセルで算出 」

まず最初に行うのは、過去の問い合わせから曜日別件数、時間帯別件数を算出する。そのためには、下記のようなエクセルの表を作ろう。

過去のコンバージョンリスト

この表ができたら、日付からエクセルの関数をつかって自動的に曜日を計算しよう。曜日の計算をする方法は、下記のサイトを参考にすると良い。

http://enjoy.sso.biglobe.ne.jp/archives/excel_day/

Googleで「エクセル 日付 曜日」のように検索すると解説しているサイトは多数あるのでわかりやすいサイトを見つければよい。曜日の計算ができれば、下記のような表にする。

過去のコンバージョンリストに曜日を追加

これで、過去のコンバージョンの発生したすべての曜日がリストアップできる。この状態になれば、エクセルのCOUNTIF関数を使って、月曜から日曜日まで、過去の問い合わせ件数が何件あるのかを計算する。

COUNTIF関数の使い方参考サイト
http://kokodane.com/kan12.htm

計算ができれば下記のような表が完成する。下記は実際の弊社のデータである。

曜日別の過去のコンバージョン件数

次に同様に、時間帯別のデータも集計する。時間帯は「分」は不要であるため、下記のような表に修正する。

時間帯別の過去のコンバージョン

修正したら、上記のCOUNTIF関数を使って、0時から23時までの時間別コンバージョン件数を集計する。すると下記のような表ができる。下記は弊社の実際のデータである。

時間帯別の過去のコンバージョン割合

ここまでできたら、手順1は完了である。

手順2「曜日別・時間帯別の訪問者数をGoogleアナリティクスで算出しCVRを計算」

手順2は、時間・曜日別のアクセス数をGoogleアナリティクスで算出する。これが算出できれば、手順1のデータと合わせて、曜日・時間別のコンバージョン率が計算できる。

まず、曜日別のアクセス数の算出の仕方をご紹介しよう。Googleアナリティクスにアクセスし、メニューにある「カスタム」をクリック、そして、「新しいカスタムレポート」をクリックする。

Googleアナリティクスカスタムレポート

すると、カスタムレポートの作成画面が表示される。下記のように入力・選択しよう。

タイトル:曜日別アクセス分析
指標グループ:ユーザー→ユーザーを選択
ディメンジョンの詳細:時刻→曜日の名前を選択

Googleアナリティクスの曜日別カスタムレポート

入力・選択したら保存をクリックする。すると、下記のような画面になる。

Googleアナリティクスの曜日別アクセス数

ここまでできたら、手順1で作った曜日別の表にアクセス数を追記し、コンバージョン率を計算する。すると、下記のような表が完成する。

曜日別コンバージョン件数・割合・アクセス数・CVR

同様に時間帯別も同じように行う。まず、Googleアナリティクスのカスタムレポート作成画面に移動し、下記のように入力・選択する。

タイトル:時間帯別アクセス分析
指標グループ:ユーザー→ユーザーを選択
ディメンジョンの詳細:時刻→時を選択

すると、下記のような画面が表示される。

Googleアナリティクスの時間別アクセス数

曜日と同様に、手順1で作った表にアクセス数を追記し、コンバージョン率を計算する。すると下記のような表が完成する。

時間別コンバージョン件数・割合・アクセス数・CVR

以上で、調査は完了だ。あとは表をグラフ化して分析してみよう。

コンバージョンが多くなる曜日、コンバージョン率が高くなる曜日

まずは、曜日から見てみよう。調査方法に従って分析した表をグラフ化すると、曜日別では下記のようになる。

曜日別コンバージョン件数・割合・アクセス数・CVR

コンバージョンの発生割合で言えば、月曜・水曜・木曜が割合が高い。土日はBtoBの場合、休日なので、割合は少ない。逆にコンバージョン率だと、月曜・水曜・木曜だけでなく、土曜も高い。日曜も金曜・火曜に比べると高い。これは、休日に調べ物という仕事をしている方なので、ある程度意識も高いということだと推察できる。

つまり、曜日で言えば、木曜、水曜、月曜にリスティングの予算を投下し、火曜・金曜は少なめにして、その分を木曜、水曜、月曜に割り振るのが良いと結論づけられる。土日については、商材などにもよるが、件数は少ないもののコンバージョン率は高いので、多少高めに設定しておく程度で良いのではないだろうか。

コンバージョンが多くなる時間、コンバージョン率が高くなる時間

次に、時間帯を見てみよう。調査方法に従って分析した表をグラフ化すると、時間帯別では下記のようになる。

時間帯別コンバージョン件数・割合・アクセス数・CVR

コンバージョン件数の割合で言えば、10時、11時、15時、18時が多い。12時などはお昼休憩のため、少ないのがよくわかる。また、残業なのか自宅で調べ物をしているのか、21時あたりにも件数が多くなる傾向がある。つまり、10時、11時、15時、18時にリスティングの予算を多めに投下すべきと結論づけられる。

コンバージョン率で言えば、深夜0時や5時が高い。これは遅くまで調べ物をするもしくは、朝活というような活動が関連しているのかもしれない(推測にすぎないが)。また9時から11時、18時くらいもコンバージョン率が高いこともわかる。

つまり、9時から11時と18時くらいにもっともリスティングの予算を投下すれば効果的である。また0時、5時はコンバージョン率が高いため、集客数は少ないが、予算をかけても良いかもしれない。12時や4時、6時などはもっとも予算をかけず、その分を他に回すべきである。

以上のことから、リスティングのお金の使い方としては、下記のようになる。

もっとも予算を投下すべき曜日:月曜・水曜・木曜
もっとも予算を投下すべき時間帯:10時、11時、18時
(※弊社のBtoBコンサルティングサービスの場合)

御社の場合はどのような結果になるだろうか?リスティングの予算をもっとも効率よく活用するために、一度分析してみてはいかがだろうか?

(平成28年8月27日 BtoB特化のインバウンドマーケティング「THREE-VIEW」


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